ハグルンド病とパンプバンプ。かかとにある「でっぱり」が痛い!

こんにちは。ほんだ整骨院の山内健輔です。

かかとの骨が後ろの方に出っ張ってきた!
かかとの後ろのでっぱりに靴ずれができた!
かかとの後ろが赤く腫れて触るだけでも痛い!

そんな経験はありませんか?

かかとの後方にはアキレス腱が付着。下側には足底腱膜があります。

2つの腱がうまく引っ張り合って、バランスがとれていればいいのですが、均衡が崩れると骨が隆起したように見えてしまうんです。

また、スポーツをする人のシューズ、女性が履くパンプスによって起きる、軟部組織性の隆起(パンプバンプ)も見られることがあります。

今回の記事では、ハグルンド病(ハグルンド変形)、パンプバンプ病について紹介していきます。

ハグルンド病はかかと後方のでっぱり(隆起)

ハグルンド病とパンプバンプ。かかとにある「でっぱり」が痛い!

※ご注意!
このページでは「ハグルンド病」「パンプバンプ」について紹介しています。記事執筆時点での情報です。
正確な情報を記すよう努めていますが、医学的視点や見解の違い、科学の進歩により情報が変化している可能性もあります。
ケガや痛みがある場合は、記事だけで判断せず、病院などで正しい診断を受けることをおすすめします。

ハグルンド病

ハグルンド病は、専門家によっていろんな呼び方をされています。

ハグルンド病
ハグランド病
ハグルンド変形
ハグランド変形

英語では、

”haglund diseease” ~病
”haglund deformity” ~変形

日本語の3文字目の違いはカナにしたときの違いぐらいでしょうか。

また、他にも「パンプバンプ(病)」や「アルベルト病」といわれるものもあります。

かかと後方のでっぱりの呼び方。

踵骨(しょうこつ)外側。後方にあr部分を踵骨隆起とよぶ

かかとの後方でっぱり部分の隆起は、骨性のものと軟部組織によるものとに分かれます。
この隆起を総称として「ハグルンド変形」(広義)と呼ぶ場合と、骨性隆起を「ハグルンド変形」(狭義)と呼ぶ場合があります。

それに対して軟部組織性の隆起は「パンプバンプ」(pump bump)といわれます。

さらに軟部組織性のもので、「アキレス腱前方滑液包炎」による隆起のことを「アルベルト病」と呼ぶこともあります。

少しややこしくなりましたが、正式な病名が必要な場合はともかく、全部をひっくるめて「ハグルンド病」と呼ばれることが多いです。

この記事では、全部を含めて広義の「ハグルンド病」として解説しています。

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隆起の正体は?

ハグルンド病は患部を触ってみて骨性のものか軟部組織由来かを確かめることができる

踵骨(しょうこつ)後部の隆起を触ってみると、骨性(かたい)と軟部組織性(多少動く)のものとがあります。

①骨性隆起

骨製の隆起は、骨棘になっている場合と通常の隆起が踵骨が傾くことで後方に突出してします場合がある。

狭義の「ハグルンド病」
踵骨隆起の後方上面にある隆起部分がハイアーチや回外足によって
皮膚側に突出してみえる。

踵骨の骨組織が繰り返し摩擦を受けて、増殖性変性を起こす。
この部分は「骨棘」(こつきょく)になって後方に突出する。

アキレス腱の付着部でも骨棘を生じている人も多くいる。
これがアキレス腱や周囲の組織と摩擦が起こりやすくなる原因。

アキレス腱周囲の組織に炎症が長期に継続すると骨化が起きて骨性隆起が生じる場合もある。

②軟部組織性隆起

アキレス腱の踵骨付着部には腱をはさむようにして滑液包がある。

パンプバンプ」ともいわれる。
皮膚や皮下組織が摩擦によって増殖性変化を起こして突出。
また、アキレス腱の前後にある滑液包の内容物が濃縮されて硬くなり、腫瘤となる。
加えて、滑液包の組織が肥厚することも後方に突出する原因でもある。

押したり、つまんだりしてみると骨性ほどかたくないことも多い。

※パンプバンプ
pump bump」パンプスの瘤(こぶ)といわれる。
パンプスのかかと部分が擦れてコブのようになることから名づけられた。

このうち、アキレス腱前方滑液包が原因になるものを「アルベルト病」と呼んでいる。

加えて、軟部組織性の隆起は皮膚組織」の増殖でも生じます。
炎症を繰り返すことで「増殖性変化」が生じて、皮膚組織が分厚くなるのです。

症状

ハグルンド病は、症状に急性・慢性の大きな違いはないのですが、赤く腫れているかどうかで判断されます。

急性期
強い痛み
歩行時痛
荷重時痛
発赤(赤くなる)
腫脹

触るだけで痛み、靴が履けなくなることも。
アキレス腱周囲の滑液包炎と合併して赤く腫れて痛みが強くなるのも特徴です。

また、骨性隆起の場合、荷重をかけることで、突出して痛みが増加することもあります。

後方に突出しているので靴と摩擦が起きやすく、胼胝ができることが多い。繰り返しているうちに皮膚組織が肥厚してより大きくなることも。

慢性期
ぶつかる、押すと痛み
靴ずれしやすい
胼胝(べんち:タコ)

慢性期になると、かかと後方の「でっぱり」のみで、安静時ほとんど痛みを感じないこともあります。(強い圧迫によって疼痛を感じる)

慢性期では、運動時に痛みがでるものの、休息や安静時には減少または消失、再開すると痛みがでるのを繰り返します。

急性期・慢性期ともに胼胝(べんち)といって、タコになったり、靴ずれを起こしやすいです。

ハグルンド病の原因

パンプスで長距離歩くときはパンプバンプに注意。かかとが擦れやすいうえに、指を曲げて歩くのでかかとが後傾する。

直接的な原因は、摩擦と圧迫によるものです。

靴の「ヒールカウンター」やパンプスやスパイクシューズの縁部分により圧迫されながらこすれることで起きるものがほとんど。

ビジネスシューズ・スパイク・パンプス(ハイヒール)・ランニングシューズ・ブーツ・登山靴……

合わない靴(小さすぎ・大きすぎ・形)も大きなリスクになります。

アキレス腱前方滑液包アキレス腱後部滑液包が腫れることで、摩擦の原因になることもあります。

ヒールカウンターはシューズ後方のかかとを支える部分

ハグルンド病の遠因

①ハイアーチ
②外側荷重(回外足)
③オーバーユース

①ハイアーチ

アーチが高いと踵骨が後方に倒れるので、後方上部の突起が出っ張りやすくなる足底腱膜や踵骨隆起下部に付着する筋が収縮することで生じる。
踵骨(しょうこつ)が後方に倒れるようになるので踵骨隆起上部が突出。

②外側荷重(回外足)

回外足でもハグルンドになりやすい

後脛骨筋の緊張、腓骨筋群の弛緩によって足部が内返し(足裏が内側向き)気味に。
踵骨隆起の上部は外側に突出する。

③オーバーユース
下肢の使いすぎは、アキレス腱、周囲の滑液包炎を引き起こす。
腫脹によって、後部が突出する。

距骨とアキレス腱、足底腱膜の均衡

アキレス腱、足底腱膜、体重のバランスで踵骨の傾きが変わる。

踵骨(しょうこつ:かかとの骨)は下部に付着する足底腱膜(そくていけんまく)、後方に付着するアキレス腱、さらに上から押さえつける距骨(きょこつ)によって固定されている状態です。

さらに左右を固めるのは、内側・外側の靱帯後脛骨筋(こうけいこつきん)・長短腓骨筋(ちょうたんひこつきん)。

これらの均衡が破れると踵骨のポジションに乱れが生じます。

ハグルンド病は、①踵骨が後方に傾いたとき、②踵骨が外側に傾いたときに後方へ突出しやすくなります。

①踵骨が後方へ傾く
→足底腱膜の牽引力が強くなる

②踵骨が外側に傾く
→後脛骨筋の牽引力が強くなる
→外側靱帯(おもに踵腓靭帯)が延長

足部の骨のアライメント(配列)も重要だということがわかりますね。

治療と対策

まずは、病院で痛風や関節リウマチ、化膿による関節炎を除外しておきたいですね。

治療は、

患部への刺激を除去すること!
(靴に当たらないようにする)

患部をくり抜いた厚めのパッドで患部の接触を避ける。
インソールで踵骨のアライメントを整える。

赤くなって腫れている場合は、冷却(アイシング)も有効です。

これらを行ったうえで、下腿三頭筋(アキレス腱につながる筋)や足底腱膜、後脛骨筋の柔軟性を高めましょう。

また、靴のフィッティングを行うことで、ヒールカウンターとの摩擦を避けることも重要です。

ただし、隆起は自然に消失することはほとんどありません。
再発や靴ずれを起こしやすいので、履物には今後も注意する必要があります。

炎症を繰り返していると手術によって除去しなければならなくなることもあります。

踵の後ろ側が痛い場合、
単なる踵骨後部滑液包炎の場合と、
ハグランド病の場合の2つの病気が考えられます。

いずれも、初期治療はヒールパッドを使った処置を行うケースが多いのですが、
ハグランド病の場合、効果が見られない場合には、手術に至るケースもあります。

古東整形外科・リウマチ科『踵骨後部滑液包炎』より引用

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まとめ

  1. かかとのでっぱりがハグルンド病(広義)という。
  2. 骨性の隆起(骨棘など)もハグルンド病(狭義)
  3. 軟部組織性は「パンプバンプ」と呼ばれる
  4. アキレス腱前方滑液包炎が原因になるものが「アルベルト病
  5. 直接的な原因は靴との摩擦による
  6. 踵骨のアライメントが遠因となることも多い
  7. 治療は患部への摩擦を避ける工夫

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