「肉離れ」はクセになりやすい!?その理由と再発防止するには!

こんにちは。ほんだ整骨院山内です。

 

今日のテーマは、

運動会で急に走ったとき。
スポーツをしていてターンをしたとき。
ジャンプをしたとき。

などなど、多くの場面で起こりがちなアレ!

そう、

肉離れ!

今日は「肉離れ」について詳しく解説していきましょう。

「肉離れ」は筋肉の断裂や損傷。クセになりやすい理由と再発防止。

※ご注意!このページでは「肉離れ」の概要を紹介しています。記事執筆時点での情報です。
医学的視点や見解の違い、科学の進歩により情報が古くなっている可能性もあります。
ケガをした場合は、記事だけで判断せず、病院などで正しい診断を受けることをおすすめします。

肉離れとは。

筋肉の損傷」のことをいいます。
ただ、「筋肉の損傷」といっても2種類に分けることができます。

①直接の外力での筋損傷=「筋挫傷」ということが多い
直接ものがぶつかることで筋肉が損傷する。
コンタクトスポーツで多い。

②自家(自分の)筋力での筋損傷=「肉離れ」と呼ぶことが多い
筋肉が縮もうとしている時に引き延ばされることで筋肉が損傷する。
急に力を入れたとき、着地時などどんなスポーツでも起こりやすい。

一般的に「肉離れ」というと②の自家筋力での損傷を指すことが多いです。
①の直接ぶつかって損傷するのは、「筋挫傷」とか「筋打撲」といい、「肉離れ」と区別しています。

ポイントは「損傷」していることを「肉離れ」と呼んでいます。
「完全に断裂」していなくても肉離れ。
そう「部分断裂」でも立派な(?)肉離れです!

今回は「肉離れ」について紹介していきます。

肉離れの原因。

肉離れがどうやって起こるかを簡単にいうと

筋肉の繊維がちぎれる!

ってこと。

いかにも「痛そう」ですよね。
肉離れはスポーツ現場では軽視されることもありますが、非常に痛いケガなんです。

肉離れは直接的な原因と起こしやすい背景が重なることで発症します。

筋繊維がちぎれる直接的な原因

ご想像の通りかとは思いますが、強い力で筋肉が引っ張られることで起こります。

肉離れの直接的な原因
〇筋肉の伸長時に急激な筋収縮が起こる。
過度に伸張される。(強いストレッチなど)

とくに多いのがスポーツの場面。
急なダッシュやターン。跳躍時や着地時に発症しやすいです。

筋線維が断裂せずに、付着部の骨を引きはがしてしまうケガもあります!

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肉離れを起こしやすい状態

さまざまな要因が絡んで肉離れを起こしやすい状況が成立します。

筋の柔軟性の低下。
疲労がたまっている
ストレッチ不足
ウォーミングアップ不足
過度な運動強度
オーバーユース

環境の不適合
寒冷環境
底床の不適合(地面が硬い・やわらかいなど)

身体的要因
筋力不足
拮抗筋や左右の筋量バランスが悪い
脳~筋肉への指令系統(運動神経)の不調和
加齢
関節運動の不安定

たくさんの要因を挙げていますが、基本的に全部が「筋肉の柔軟性の欠如」につながります。

筋肉の柔軟性が欠如している状態で、強く引き伸ばされたり、伸ばされて急に収縮することで断裂・損傷するのです。

ストレッチだけのウォーミングアップではダメ!
たまに見かけるのが軽いストレッチだけのウォームアップ。「ウォームアップ」は名前の通り身体や筋肉を温めるのが目的です。
ストレッチのみだとあまり効果は期待できません。
逆に身体を温めてからのストレッチは効果的です。

肉離れが起きやすい場所は?

上肢(腕周り)よりも下肢(足回り)の肉離れが圧倒的に多い傾向にあります。

頻度が多い筋肉としては、

太もも
ハムストリングス・大腿四頭筋・内転筋群

ふくらはぎ
腓腹筋


大胸筋


上腕二頭筋・上腕三頭筋

筋損傷の多い場所としては、「筋腱移行部といわれる場所。(筋肉が硬い組織に変わる部分)

次に多いのが筋肉の付着部。骨にくっつく部分です。

ただし、「筋腹」といわれるふくらんだ部分でも発生することも少なくはありません。

どんな症状が起こる?

圧痛・運動痛
腫脹
血腫(皮下出血斑)
しこり(硬結)・くぼみ(陥凹)

発症した時点では、強い痛みを感じるので本人も自覚することが多いです。

完全断裂の例では患部に衝撃を受けたように感じる人もいます。

肉離れが起きると、(当たり前ですが)強い痛みを生じます。その後、損傷部位からの出血(内出血)、炎症による腫脹が現れます。

負傷した筋肉が深部にあるようだと、皮下出血はすぐにはみられず、何日も経過してからみられることがあります。

腫れは患部を中心に全体的に腫れることが多いのですが、筋膜が傷ついていないと限局(限定的)することもあります。

深い断裂例になると、

しこり・・・断裂した筋肉が縮んでしこりとして触れる。
くぼみ・・・断裂端が引き裂かれ、陥凹が触れる。

ことがあります。

痛みは、

押すと痛い!
伸ばされると痛い!
力を入れたら痛い!

です。

肉離れの処置!

受傷直後は、

PRICE処置。

保護・安静・冷却・圧迫・挙上

自宅での安静時は、肉離れした筋が伸張しないようにすること!

例)ハムストリングスを肉離れしたとき。
膝を少し曲げて、断裂端を接触させるように固定します。

受傷直後は腫れや内出血が出ることは少なく、時間が経ってから腫れ・内出血が現れます。

血腫がないからといって軽視せずに、冷却・安静を優先しましょう。

損傷の状態を見極めたら今度は「POLICE処置」を!
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肉離れの治療期間。

治療期間は、筋肉の損傷によっても変わります。

完全断裂時には、手術が必要なことが多いですが、部分断裂の例では保存的に治療をしていくことが多いです。

あくまでおおまかな目安ですが、

陥凹(くぼみ)を感じるぐらいの損傷で、安静にすることができれば4~5週で損傷部位が再生していきます。

筋肉が再生したからといって「治った!」わけではありません。

治癒期間になるとこれにリハビリ期間、さらに4~5週が必要。

肉離れは同じ部分を何度も損傷することが多いケガです。動けるからといってすぐに運動を再開するのはやめましょう!

肉離れが再発しやすい理由!

筋肉は、筋線維が束になったものです。
筋線維は細い糸のようになっていてそれが集まって筋腹(筋肉の太くなっているところ)をつくります。

筋線維が損傷すると、治癒過程で新しく瘢痕組織(はんこんそしき)をつくります。

この瘢痕(はんこん)組織が新しい筋肉組織に順次入れ替わって、筋線維が再生されていきます。

ただし!

この瘢痕は周囲の筋肉と伸張できる長さが違います

手術のあとの傷跡が動かしていると「ひきつる!」っていう経験はありませんでしょうか。

これが筋肉でも起きているのです。
瘢痕は損傷した組織同士をつなげる役割をしているものなので、柔軟性があまりありません。

この時期に無理に動かしてしまうとどうなるでしょうか?
答えは、

再発(再負傷)!

そう、同じ場所の組織が断裂(損傷)してしまうのです。

これが肉離れは癖になりやすい理由です。

合併症「骨化性筋炎」にも気を付けて!

「骨化性筋炎」(こっかせいきんえん)とは、

筋肉の組織にカルシウムの結晶ができてしまうもの。

筋組織が損傷すると血腫(内出血)が出現します。さらに、損傷した組織を吸収・再生するために多くの血液成分が集中します。

その中に含まれるカルシウム分が蓄積して結晶となり筋肉内に残ってしまうのです。

自発痛(安静時に痛い)が強く出たり、動かすと痛かったり、運動制限が出てしまったり。

原因は、「過剰な血腫」です。
血腫を必要以上に出さないためには、

〇受傷後は冷却・安静を徹底する。
〇早期に動かさない。
乱暴なストレッチをしない。
〇運動は段階を踏んで行い、いきなり強度を上げない。

骨化性筋炎になると治癒がかなり遅れます。
さらに、筋肉の柔軟性も低下するため、再負傷の危険も高まる怖い合併症です。

自然に起きてしまうこともありますが、無理な早期復帰によるものも多いので、気を付けましょう。

足がつる原因と対策!予防しておきたい「こむら返り」

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リハビリをしっかりしましょう!

再発しやすい肉離れ。
再発を予防するためには、しっかりストレッチをすることが大事です。

瘢痕になった組織が周囲の組織と同じぐらいまで柔軟性をもたせることがリハビリの目標です。

患部を動かしても痛みがなくなってきたら、
①自分で痛みが出る直前まで伸ばす。
②伸ばす⇔ゆっくり戻す を繰り返す。
③健側(痛くない方)と可動域が同じになるまで!

下肢のリハビリで行っておきたい「バランストレーニング」

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再発予防に気を付けること!

〇強度

20%⇒50%⇒80%⇒100%
のように徐々に強度を上げていくこと。
新しい組織は耐久性もまだ弱い状態。少しずつ上げていくこと。

〇頻度

ストレッチは毎日やるべきです。
患側(痛めた側)だけでなく健側の可動域もこの機会に広げてしまいましょう。

〇拮抗筋とのバランス・左右とのバランス

拮抗筋とは、反対の動きをする筋肉のことです。
例えば、膝を伸ばす「大腿四頭筋」の拮抗筋は、膝を屈曲させる「ハムストリングス」。

この拮抗筋のバランスが崩れていると肉離れを起こしやすいです。

さらに左右の筋量のバランスが悪いと、左右同時に筋肉を使った時などに肉離れを起こしやすくなるのです!

なので、筋力トレーニングも大事ですが、左右・拮抗筋のバランスもみながら行いましょう。

〇脳と筋肉の協調性トレーニング

脳と筋肉の協調性が少ないと力を入れるタイミングがズレてしまいます。

例えば着地やターンをするときに、疲労や緊張によって筋肉の収縮が遅れてしまうことで、肉離れを起こします。

ラダートレーニング(はしごを使ったトレーニング)などで脳と筋肉のつながりをしっかり作っておきたいです。

〇フォームと競技環境の見直し

ご自身のフォームで負担が強くなっていないか、競技をしている地面などを見直すこともリハビリのひとつです。
ケガした原因を把握しておくことは、再発予防に有効なことですよ。

見落としがちなのがシューズなどの用具。
こちらも患部に負荷がかかっていないか確認しましょう。

〇練習や競技の頻度・強度見直し

筋肉の疲労やオーバートレーニングは肉離れの原因のひとつ。
競技特性に合った筋力トレーニング・練習方法も考えましょう。

「肉離れ」まとめ!

下肢の筋肉に多いが、上半身でも発生する。
筋肉の柔軟性が低下することで起きやすくなる!
疲労や運動強度の不適合でも起こりやすくなる!
内出血は遅れて出てくることもある。
同じ部分で再発しやすい。
運動再開はリハビリ後、徐々に。

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