こんにちは。ほんだ整骨院山内です。
人によって足の形は違います。
みんな骨の数はだいたい同じ(人によって「過剰骨」をもっている人もいますが。)なのに!
形が違うんです。
足は身体を支えるので、膝や股関節、さらには腰や首にまで影響を与えます。
すっごく大事な役割をもっているんです!
今日はその中でも重要な「足部の縦アーチの役割」について紹介していきましょう。
『足の(縦)アーチの役割。崩れると身体全体にも大きな影響!』
このページでは足部の縦アーチの役割を紹介しています。記事執筆時点での情報です。
正確な情報を記すよう努めていますが、医学的視点や見解の違い、科学の進歩により情報が変化している可能性もあります。
ケガをした場合は、記事だけで判断せず、病院などで正しい診断を受けることをおすすめします。
足のアーチは3つある!
私たちの足部は、片足で26個、両足で52個もの骨で成り立っています。
※「種子骨」2個も含めると片足28個、両足56個。
今回は便宜上、種子骨は含めないで執筆しています。
※「過剰骨」と呼ばれる外脛骨・三角骨をもっている人もいます。
この52個の骨で全身の体重を支えると同時に二足歩行のバランスをとります。
さらには歩く・走る・ジャンプする・背伸びするなどの運動もできますよね。
これは、足部に「アーチ」があることで可能になっているのです!
で、私たちの足には「アーチ」と呼ばれるものが3つあります。
内側縦アーチ(ないそくたてアーチ)
「土踏まず」を含む足部親指側のアーチ
扁平足についてはこちらの記事も参考にどうぞ。⇒扁平足(偏平足)になる要因は?どんな障害がでやすい?
内側縦アーチと回内足の関係とは?⇒「回内足」(かいないそく)と「過回内」(オーバープロネーション)
外側縦アーチ(がいそくたてアーチ)
足の外側(小指側)にあるアーチ。外見は平らに見えますがわずかに中足骨部分が上がるアーチを描いています。
横アーチ(横足アーチともいう)
足の指側前方からみると親指と小指が下がるようなアーチになっています。
消失して「逆アーチ」になってしまっている方も多く見受けられます。
足の横足アーチとは?開張足(かいちょうそく)ってなに?⇒足の横足アーチ。維持するために必要なこと。低下するとどうなる?
片足26個の骨が機能的に組み合わさることで、下肢の筋肉の生み出す力を地面に伝えたり、絶妙なバランス感覚を発揮できるんですね。
3つのアーチが互いを補い合って、うまく足の機能を発揮しています。
「アーチ」って?
アーチとは、「弧」。
半円形の弓のような形のものをいいます。
野球ではきれいな放物線を描くようなホームランのことを「アーチ」と呼んだりしますね。
そのような本塁打を量産する打者を「アーチスト」と呼ぶこともあります。
足部のアーチの役割
体重を分散させる。
衝撃を吸収する。
踏み返し運動の補助。
立位バランス感覚。
「横アーチ」も重要ですが、今回は「縦アーチ」に絞ってみていきましょう。
縦アーチを構成する骨。
内側縦アーチ
踵骨(しょうこつ)・距骨(距骨)・舟状骨(しゅうじょうこつ)・内側楔状骨(ないそくけつじょうこつ)・第1中足骨
外側縦アーチ
踵骨(しょうこつ)立方骨(りっぽうこつ)、第5中足骨
縦アーチはかかと(踵骨)から指先に向かって扇状に広がる半円形の弓状のものです。
いくつかの骨を経由することで柔軟性が生まれて、強い衝撃も吸収することができます。
さらに、それぞれを結ぶ靭帯には「位置覚」という神経センサーがあります。
これによって、バランスをとるときにもわずかな傾きも検知しやすくなっています。
足部の骨の名前を憶えておきましょう!⇒足部の骨についての基礎知識。骨の数や名前、構造や役割を紹介。
外側縦アーチは短腓骨筋が重要な役割を担っています。
腓骨筋群とは?⇒足部の形状維持に重要な筋肉、長腓骨筋・短腓骨筋・第3腓骨筋の機能
短腓骨筋の炎症⇒【外くるぶし】の下や後ろの痛み。「腓骨筋腱炎」は足の着き方が原因!
小児の第5中足骨粗面部の痛み⇒イズリン病(イセリン病)は足の外側の骨端症。類似疾患にも注意!
縦アーチ破綻の原因「後脛骨筋腱機能不全」(PTTD)とは?⇒足首内側が痛い!かかとが倒れる!「後脛骨筋腱機能不全」ってどんな疾患?
縦アーチの重要な機能。
衝撃吸収(トラス構造)
踏み返し補助(ウィンドラス機構)
バランス保持
内側縦アーチ・外側縦アーチは、「弓状」の形をしていますね。
底辺を支えるのは「足底腱膜」(そくていけんまく)。
足底腱膜は、
かかとから足指のつけ根(基節骨の基部)に付着
強靭な結合線維組織
で、この縦アーチと足底腱膜のつくる荷重を逃がす構造は、
トラス構造
という力学において荷重や衝撃による負荷に強い構造になっています!
地震や耐荷重に優れ、建造物や橋などによく使われる手法です。
トラス構造
三角形に部材をくみ上げ、接合部はピンでとめることで、負荷は長軸方向に(強い方向に)しかかからないような構造です。(長軸を横断するような力はかからない!)
さらに!
ウィンドラス機構
「windlass」(ウィンドラス)とは、巻き上げ機のこと。
船についている錨(いかり)を巻き上げる機械です。
どういうことかというと、
歩行時(走行時)足指が反る(MTP関節背屈)状態になると足底腱膜が引っ張られます。
引っ張られた足底腱膜は縮もうとするので、この時に足裏の指のつけ根(中足骨頭)で地面を蹴るように働くのです。
簡単にいうと、踏み返し(地面を蹴る動作)を補助することになります。(推進力をプラスする)
荷重・衝撃をうける
↓
トラス構造で衝撃を吸収
足底腱膜は引き延ばされる。
↓
ウィンドラス機構により地面を蹴る力(推進力増強)をプラス。
そして、もうひとつ重要な役割。
「バランス感覚」
です。
人は足の内側・外側どちらにも体重をかけることができます。
さらに身体のバランスを崩して重心がズレた時に足部のアーチがたわむことで姿勢を保持することができます。
縦アーチを形成する骨どうしは強力な靭帯でつながっていて、筋肉でさらに補強されます。
靭帯には「位置覚」というセンサーがついていて関節の曲げ具合や傾きを細かく検知できる仕組みになっています。
これにより、不安定なバランスディスクの上でも片足立ちができるのです。
縦アーチの役割をご理解いただけましたでしょうか。
アーチが崩れると起きる足の障害。
足部のアーチは足回り、下腿から大腿、膝関節、股関節さらには全身まで影響を与える重要な役割をもっています。
今回はアーチへの変化によって不調をきたすおもな足の障害を挙げてみましょう。
偏平足
外反母趾・内反小趾
足底腱膜炎(有痛性踵骨棘)
距骨下関節炎
中足骨頭痛
モートン病
外脛骨障害(有痛性外脛骨)
中足骨疲労骨折
シンスプリント
後脛骨筋腱炎
長短腓骨筋腱炎
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他にも膝や股関節、腰部にいたるまでいろいろな場所に障害をもたらしかねないのが足部のアーチなんです。
足のアーチが高すぎる「ハイアーチ」(凹足おうそく)とは?⇒足の甲が高いと問題?「ハイアーチ」凹足変形によるリスクと対策
縦アーチが使えなくなる「回外足」とは?⇒「回外足」(かいがいそく)の治し方は?原因と予防も考えよう!
後脛骨筋腱機能不全になりやすい要因
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縦アーチを保持する筋肉。
縦アーチを保持するように走行する筋肉も紹介します。
足部のアーチを強化するためにもこれらの筋肉を鍛えることは有効ですよ。
長腓骨筋と後脛骨筋
ふたつは足の裏側で外側と内側から十字にクロスするように付着していて下側から縦アーチを保持しています。
偏平足の多くに後脛骨筋や長短腓骨筋の機能低下がみられます。
前脛骨筋
下腿の外側から足首の前側を通り、母趾(第一)中足骨の底部に付着。土踏まずを持ち上げるような働きをしています。
足底腱膜
性格には筋肉とはいえず、線維性の結合組織です。足裏をかかとから足指側に引っ張るように広がっています。縦アーチを支える重要な組織です。
足趾(足の指)の屈筋群
「足底腱膜」を補強するように働き、縦アーチの保持を手伝います。
他にも内側と外側のバランスが崩れると「回内足」や「回外足」の原因となり、縦アーチ崩壊の原因になることがあります。
足裏の屈筋群を刺激して、足部のアーチを守る!⇒あしうら(足底)の筋肉を「鍛える」&「ほぐす」で足の不調を防ぐ!
足部縦アーチの役割まとめ
〇「トラス構造」をつくり衝撃を吸収する。
〇アーチの反発力を踏み返し時に利用して推進力を増加。(ウィンドラス機構)
〇立位・片足立位などでのバランスをとる緩衝作用。
〇アーチの減少により下肢が疲労しやすい。
〇アーチの保持に「後脛骨筋」「長・短腓骨筋」は大事。
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足首の距腿関節にある関節軟骨が損傷することで発生します。「ネズミ」という軟骨の遊離体が挟まってロッキングを起こすことがあります。
⇒足首の離断性骨軟骨炎。長期続く痛みに注意。不安定症の原因にも。
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