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『フットボーラーズアンクル(衝突性外骨腫)。足首にできた骨の棘が痛い!』

こんにちは。ほんだ整骨院の山内です。

ひねったり、ぶつけたりしていないのに「足首が痛い!」。
しゃがむと足首の前側が痛い。
背伸びをすると足首後ろが痛い。

足首に負担の大きいスポーツをやっている人に多いスポーツ障害のひとつ。

フットボーラーズアンクル

繰り返し骨どうしがぶつかったり、こすれたりすることで、骨にトゲができてしまうものです。

サッカー選手に多いことから名づけられましたが、他の競技の人にも発生します。
オーバーユース(使い過ぎ)による障害のひとつで、「骨棘障害」ともいわれます。

今回は「フットボーラーズアンクル」について紹介していきましょう。

フットボーラーズアンクルは骨棘の痛み

フットボーラーズアンクル(衝突性外骨腫)。足首に骨の棘が痛い!

※ご注意!
このページでは「フットボーラーズアンクル」(衝突性外骨腫)について紹介しています。記事執筆時点での情報です。
正確な情報を記すよう努めていますが、医学的視点や見解の違い、科学の進歩により情報が変化している可能性もあります。
ケガをした場合は、記事だけで判断せず、病院などで正しい診断を受けることをおすすめします。

足首の前または後ろの痛み

足関節底背屈時にぶつかる部分

足首を底屈(つま先を下げる動き)・背屈(つま先をあげる動き)させる動きが多い競技をしていると足首の前後に痛みがでることがあります。

後部に痛みが出やすい(底屈で痛み)

サッカーのインステップキックバレエでのフットボーラーズアンクル
サッカー・バレエなど

サッカーでは、足関節(足首)を底屈させてキックする「インステップキック」や「ロングフィード」による衝撃によって痛みを生じます。

クラシックバレエでは、底屈させたままジャンプすることで、足関節後方に衝撃が加わります。

前部に痛みがでやすい(背屈で痛み)

ジャンプの着地で生じる足関節インピンジメント
サッカー・バスケットボール・バレーボール・ハンドボールなど

背屈で生じる骨棘

ジャンプの多い競技で起きやすいのが前側の痛み。
着地時やターンにおいては足関節背屈によって、足首前部に強制力が加わります。

骨棘ができる!

足首で骨どうしの衝突によって骨棘ができる場所

キックやジャンプによって繰り返し強い衝撃が足首に加わると、関節軟骨(骨軟骨)や骨膜、滑液包が刺激されます。

それらが傷つくと、組織は再生しようとします。
この過程においても繰り返し刺激が加わっていると、骨のトゲのようなものができてしまうことがあります。

この骨のトゲのことを「骨棘」(こつきょく)とよびます。
フットボーラーズアンクルでは、骨棘が距骨の前後(距骨滑車)、脛骨下端の前部にできることが多いです。

フットボーラーズアンクルでは骨と骨棘がぶつかって痛みが出ていると考えられます。
(もちろん骨棘ができる過程で痛みが出ることもある)

足関節インピンジメント症候群のひとつ

インピンジメントで骨棘

足関節インピンジメント症候群は、足首まわりで組織の衝突・こすれによって生じる障害の総称です。

足関節インピンジメントについてはこちらの記事で紹介しています。⇒足関節インピンジメント症候群ってなんだ?

フットボーラーズアンクルはその中のひとつで、別名「衝突性外骨腫」(しょうとつせいがいこつしゅ)ともいわれ、脛骨下端と距骨(きょこつ)の衝突によって生じます。

フットボーラーズアンクルの症状

〇足関節底屈または背屈時の痛み
〇足関節の可動域制限
〇底背屈時の引っかかり感、つまり感
〇炎症があれば腫脹・熱感・荷重痛
〇キックやジャンプ、ターンでの痛み
骨棘の触知(骨のでっぱり)

診断はレントゲン撮影で骨棘が認められれば確定されます。長引く足首の痛みがある場合には整形外科を受診しましょう。

骨棘の骨折も?!

足関節の後方には、長母趾屈筋腱(ちょうぼしくっきんけん)や長趾屈筋腱(ちょうしくっきんけん)など腱がたくさん走行しています。

骨棘が剥がれると関節内を浮遊して「関節遊離体」(関節ねずみ)になったり、腱にはさまって炎症を生じることもあります。

「三角骨障害」は距骨の後突起が分離したものが挟まる障害
足の【有痛性三角骨】。つま先を下げた時に足首後ろが痛い!(三角骨障害)

むかしの(ねんざ)が遠因になる場合も。

靭帯の緩さも骨棘の原因になる

フットボーラーズアンクルで生じる骨棘は、脛骨の遠位端(下端)と距骨が衝突を繰り返すことで発生します。

骨棘が発生する以前に、足首の捻挫によって靭帯損傷が起きて、関節のゆるみが生じている人も多いです。

足関節不安定症の場合は、足首を底背屈したときに距骨の挙動が不安定になるので、関節軟骨がこすれやすい状態。
このときに強い衝撃を繰り返すことで骨棘が生じやすくなる、というわけです。

逆に骨格自体の問題や病気(エーラスダンロス症候群など)で関節可動域が狭い人も、脛骨と距骨がぶつかりやすいといえます。

治療とリハビリ

サポーター

治療は基本的に「保存療法」(手術しない治療)で行います。
保存療法で改善しない場合や骨棘が肥大化して疼痛が強い場合などでは、「観血療法(かんけつりょうほう)」(手術による治療)も検討されます。

長期間にわたる安静を継続することで骨棘が吸収されて症状を消失させることが目標です。
ただし、骨棘が消失しなくても、可動域制限が少し狭くなりますが、日常では支障をきたさなくなることも多いです。

治療

可動域制限の起きる理由

①冷却・安静
炎症を早く鎮めるためには冷却・安静が基本です。
日常生活でも痛みが出るようならばシーネ固定(材料を副え木にする)も行います。

アイシングのやり方⇒受傷後のアイシング(冷却)。治療期間を短縮する効果あり!【応急処置】

②装具:サポーターやテーピング
可動域を制限したり、足関節の動きを安定させたりする目的でサポーターやテーピングを利用します。
骨どうしがぶつからないようにするためです。

③注射
ヒアルロン酸の注射やステロイド注射が行われることもあります。

④リハビリ
足首の不安定感を除くために、筋力トレーニングやバランストレーニングを行いましょう。
キックやジャンプ時に必要以上に底背屈させない強靭な筋力をえるためです。
また、バランストレーニングは足首の深部感覚(曲がる角度や靭帯の伸びを調節する)の再教育を行うため。

チューブトレーニング腓骨筋トレーニングバランストレーニングバランストレーニング

⑤競技復帰
痛みがない・可動域も正常の状態で復帰することが理想ですが、骨棘が存在している限りは難しいです。
テーピングやサポーターで骨棘に干渉しないように可動域を制限しながら徐々に伸張にプレー復帰を目指しましょう。

⑥再発予防
一度発症していると、脛骨の関節面縁や距骨滑車関節面は摩擦が強くなっています。
なるべく患部に負荷がかからないように、足関節を固める筋肉を強化したり、サポーターなどで補強するなど再発しないように努めましょう。

フットボーラーズアンクルのまとめ

衝突性外骨腫足関節骨棘障害)ともいう
〇脛骨と距骨の衝突によって骨棘を生じる
〇底屈タイプは後ろ、背屈タイプは前方。
〇骨棘が剥がれると関節遊離体になることも。
〇保存療法が基本で、観血療法(関節鏡も)も検討される。
〇きちんと治療することで予後は悪くない。(可動域制限は残存することも)

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