こんにちは。ほんだ整骨院の山内です。
簡単に効果が得られる「サポーター」。
ケガをした場所につけたり、ケガの予防に使ったり、最近ではパフォーマンスを向上させる目的で利用したり・・・。
いろんな役割がありますよね。
そんな便利なサポーターですが、気を付けなければいけない注意点もあります。
今日はサポーターの役割(メリット)と注意点(デメリット)について紹介していきましょう。
『サポーターの役割って?注意点を守れば手軽で使いやすいツール。』
このページでは「サポーターの役割」について紹介しています。記事執筆時点での情報です。
正確な情報を記すよう努めていますが、医学的視点や見解の違い、科学の進歩により情報が変化している可能性もあります。
ケガをした場合は、記事だけで判断せず、病院などで正しい診断を受けることをおすすめします。
サポーターの種類はたくさん!
サポーターは布やゴムでできている装具のひとつです。
部位や目的に応じて、金属や樹脂でできたステー(副子)がついたり、補助バンドがついていたりします。
また、形状や材質もさまざまに考案されているものも多く、どれを使っていいのかわからなくなるほどです。
ご自身のケガや障害のステージによって、また利用する状況によっても選ぶサポーターは変わってきます。
現在の状態・どの場面で使用するか・使用する目的などを加味して選択します。
固定(安定)性・・・材質やステー、補助バンド
形態・・・かさばり過ぎていないか など
値段・・・値段も安価なものから高価なものまで
〇疼痛緩和
〇ケガした部位の保護
〇ケガの再発防止
〇ケガの予防
〇パフォーマンスの向上
〇疲労軽減
〇浮腫・血栓の予防
サポーターの役割
②圧迫
③関節の固定
④運動の安定化
⑤筋肉の補助
⑥衝撃の緩和
⑦変形の予防
同じ部位のサポーターでもたくさんの種類があります。
というのは、その目的によって固定力が違ったり、安定させる方向が違ったりするためです。
また、ケガや障害の重症度、治癒過程においても使用するサポーターを使い分けます。
①保温
受傷した部位を冷えから守るために使用します。
固定・圧迫力のあるもの・圧迫力のないレッグウォーマーのようなものがあります。
赤外線効果のある材質を利用しているものもあります。
変形性関節症や神経痛などの症状、慢性期・回復期のケガに効果的で、『疼痛の軽減』の効果が望めます。
②圧迫
患部を圧迫することで『疼痛軽減』の効果があります。
触圧覚(触覚を感じる受容器)を刺激することで、痛覚(痛みを感じる受容器)からの電気信号を軽減させます。
(脳は神経を通る電気信号で感覚を認識している)
簡単にいうと、「圧迫力によって痛みをごまかしている」というイメージです。
他にも急性期の応急処置「PRICE」(プライス処置)の中に「圧迫」(compression)、「安静」(rest)があります。
急性期の処置にサポーターが利用されることもあるんですね。
また、適度に圧迫することによって、静脈・リンパでの水分の滞留を予防して、浮腫や静脈血栓の予防に使われることもあります。
③関節の固定
関節の可動域を制限するサポーターもあって、過度な運動を制限することで、負傷や障害のある関節や腱、筋肉、軟骨、骨組織を保護することができます。
支持機構となる副子(添え木のようなもの。ステーともいわれる)が入っているものの中には、強度の固定ができるものもあります。
④運動の安定化
患部の動きのブレを防ぐことで、関節運動の安定化を促して、負傷組織を保護する作用もあります。
⑤筋肉の補助
テーピング効果のあるサポーターもあって、筋肉を補強することで、患部の負担を軽減したり、パフォーマンスの向上に役立つものも増えてきています。
登山やマラソンでの疲労の軽減にも使われることもありますね。
⑥衝撃の緩和
バレーボールの膝当てのように緩衝材が入っていて、患部の保護や負傷の予防に使われることもあります。
⑦変形の予防
関節リウマチや外反母趾などで、適度に圧迫をしたり、正しい方向に引っ張ったりする効果があるものは、変形予防の目的で使われることがあります。
問題点と注意点について
たくさんメリットのあるサポーターですが、もちろんデメリットもあります。
サポーターをうまく使って快適な生活ができるように、問題点についても把握しておきましょう。
サポーター使用時の問題
血行不良
筋力低下
蒸れやアレルギーによる皮膚炎(かぶれ)
使い方の間違い
圧迫のしすぎ
動かしすぎ
サポーターを使用していると、疼痛軽減の効果や運動の安定化によって、痛みが少なく動けてしまうことがあるんです。
本当は安静にするべき負傷部位を使いすぎて、治癒、再生期間が長引いてしまうことがあります。
血行不良
圧迫力の強いものを長時間使用していたり、サイズが違ったり、使い方が間違っていたりすると、血流が悪くなりむくんでしまうことがあります。
むくんでくると神経を圧迫して痺れや痛み、麻痺などの症状が出てしまうことも。
筋力低下
サポーターの使用が長期間にわたってしまうと、本来使われているはずの筋肉が萎縮(いしゅく)して減少してしまう恐れがあります。
短期間の使用ですぐに筋力低下を引き起こすことはありませんが、気を付けなければいけないことのひとつです。
蒸れやアレルギーによる皮膚炎(かぶれ)
非常によく起こりやすいのが「かぶれ」。
最初はかゆくなります。皮膚の炎症が強くなると発赤を生じます。
ゴムや化学繊維でできていることが多いので、アレルギーのある人は要注意です。
また、汗が蒸発しにくい素材が使われているサポーターは「蒸れ」やすいのでかぶれを起こしやすくなります。
使い方の間違い
サイズや部位、装着方法が正しくないと効果がなくなるばかりか、余計に悪くなったり、別の負傷につながることもあるので注意が必要です。
圧迫のしすぎ
とくに関節部分で多いのですが、関節部分を締め付けすぎることで生じる「腱の摩擦」。
関節部分の腱は骨とこすれやすくなっています。
これを圧迫して動かすことで「腱鞘炎」(けんしょうえん)を引き起こすこともあるので要注意。
使い方に気をつけよう!
簡単に装着しやすいサポーターですが、前述したように正しく使用しないと負傷を増悪させたり、別の場所を負傷してしまうことがあります。
☆症状の重症度に応じて使用する
強い固定力をもつものから軽度のものまでたくさんあるので、自分の障害に応じたサポーターを選びましょう。
☆治癒過程に応じて選ぶ
急性期・亜急性期・慢性期・回復期それぞれのステージにおいてもサポーターの使用を見直しましょう。
☆部位・サイズ・装着方法に注意する
間違った装着をしないように必ず取扱説明書通りに使用しましょう。
☆皮膚の症状が出たら使用を中止
皮膚の炎症は広がってしまうと治りにくくなります。
医師と相談してください。
☆過信しすぎない
サポーターを過信して使いすぎるのもよくありません。
痛みが和らいだり、動けるようになっても患部が回復しているわけではありませんので、気を付けましょう。
サポーターまとめ
- 布やゴムでできた軟性の装具
- いろいろな効果が期待できる
- デメリットもあるので要注意
- ケガの予防やパフォーマンスの向上にも使われる
- 状態に応じて使い分けることも必要
- 皮膚の症状にも注意
- 正しい使い方をする
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