こんにちは、ほんだ整骨院の山内です。
テーピングは手軽にできて、うまく使えば患部の保護になったり、ケガを予防する効果が期待できるものです。
ですが、安易に使いすぎたり、誤った貼り方をしてしまうと逆効果になるばかりか、別の傷害を引き起こすことにつながることもあります。
そこで、今回はテーピングの目的と注意点について詳しく紹介していきます。
『テーピングの効果と注意点は?適切に貼って患部を保護しよう。』
このページでは「テーピングの目的と注意点」について紹介しています。記事執筆時点での情報です。
正確な情報を記すよう努めていますが、医学的視点や見解の違い、科学の進歩により情報が変化している可能性もあります。
ケガをした場合は、記事だけで判断せず、病院などで正しい診断を受けることをおすすめします。
テーピングの目的

〇ケガや障害部位の保護(応急処置含む)
〇ケガの予防
〇疼痛軽減・疲労軽減
日常生活やスポーツをするとき、仕事中などでケガや不安を抱えた場所に負担をかけないようにするためにテーピングをすることが多いですね。
ただし、なんとなくテーピングをしていても効果がないばかりか、かえって悪化させてしまうことも・・・。
一度テーピングの目的とその効果を確認しておきましょう。
〇関節可動域の制限・固定
〇障害部位の補強
〇疼痛軽減・疲労軽減
〇パフォーマンスの向上
〇心理的安心
〇皮膚の保護
関節可動域の制限・固定
関節周囲の組織や関節を動かす筋肉を保護するために関節の可動域を制限したり、固定したりすることによって、障害部位を守ります。
応急処置の「安静」「圧迫」として利用されることもあります。
障害部位の補強
損傷した部位の変わりをするテーピングをすることで、その部位の負担を軽減させます。
疼痛軽減・疲労軽減
適度な圧迫を加えることで痛みを感じる感覚受容器の働きを減少させます。応急処置的に使用することもあります。
また、患部の負担を減らすことで疲労の軽減を図ることもあります。
パフォーマンスの向上
筋や関節を補強することでパフォーマンスの向上を図ることもあります。
心理的安心
適度な圧迫感や関節の補強は運動時に精神的な安心感につながります。
皮膚の保護
繰り返し強く皮膚がこすれる運動の場合には、皮膚の損傷を防ぐためにテーピングが使用されることがあります。
テーピング効果の持続時間
テーピングの種類にもよります。
固定や圧迫が目的のテーピングの場合は、巻いた直後がいちばん効果が高く、動き出して、時間が経過すると効果が弱くなります。
スポーツをする場合には、プレーの直前に行い、プレー後は速やかに外すことが好ましいです。
あまり長時間・長期間テーピングをしたままにすると、ムレやこすれによって皮膚がダメージを受けるのと血液循環や神経圧迫を防ぐのが理由です。
テーピングの種類とツール。
多くの会社からさまざまなテーピングが発売されています。
幅
材質
通気性
粘着剤
それぞれ違うので目的に応じて使い分けることが大切です。
おおまかに種類と主な使い方を挙げておきましょう。
テーピングの種類
非伸縮テープ
患部を固定したり、圧迫したりして保護します。
伸縮テープ
伸縮する繊維でできていて、関節の可動域を制限したり、適度に圧迫したりします。
非伸縮テープといっしょに使用することもあります。
キネシオロジーテープ
薄く、通気性のいい素材でできていて、伸縮性が高いです。
基本的には筋肉に沿って、筋の代替として使用することが多いのですが、他の目的で使用されることもあります。
自着性テープ
肌へ直接は粘着せず、テープどうしでくっつくような素材でできているものです。
皮膚へのダメージは少なく、伸縮性があり、包帯のように圧迫や可動域制限の目的で使用されることが多いです。
アンダーラップ
テーピングを貼る前に皮膚や体毛を守る目的で利用されます。
柔らかく通気性のある「スポンジを薄くしたような」素材でできています。
用途に応じて必要なツール
必ずなくてはならないものというわけではありませんが、あると便利な道具も紹介します。
ワセリンとガーゼ
腱がこすれる部位を圧迫するときに、ワセリンを塗ったガーゼをパッドとして当ててその上からテーピングをします。
その部位を滑らせることで皮膚や腱を保護します。
粘着スプレー
テーピングが皮膚につきやすくするためのスプレー
リムーバースプレー
テーピングを剥がしやすくするもの。吹きかけて剥がしていくと皮膚の損傷を和らげます。
テーピングカッター
貼ったテープをはがすときに使えるほか、貼るときにも使用します。
テーピング用はさみ
刃の部分が曲がっていて、剥がすときに皮膚とテーピングの間に入れてカットしていくようにできています。
粘着剤が付着しにくいものもあります。
テーピングで注意すること!
テーピングの効果は多様ですが、「テーピングをすれば大丈夫」というわけではありません。
テーピングによって、痛みや動きが多少改善したとしても組織が完全に回復したわけではありません。
あくまでテーピングは、損傷部位を守るための処置です。完全に損傷部位を保護してくれるわけではないことを理解しておきましょう。
テーピングできない場合
テーピングをしてはいけない症例もあります。
当てはまらないことを確認しましょう。
〇重症度の高いケガ
〇皮膚に外傷(創傷)・発赤・ただれがある
〇強い腫脹(腫れ)がある
〇動かすと強く痛む
〇医師に止められている
注意すること
テーピングをするときに注意しておきたいのは、主に4つ。
それぞれしっかり抑えておかないと重大な事故につながりかねないものです。
①テーピングで対応できるケガ(障害)か見極める
②筋・腱の不必要または過剰な圧迫に気を付ける
③血流障害や神経圧迫に気を付ける
④皮膚の損傷に気を付ける。
①テーピングで対応できるケガ(障害)か見極める
テーピングはあくまで「補助」として使用するものです。大きな損傷や動かしてはいけないケガでは、テーピングで対応できない場合もあります。
②筋・腱の不必要または過剰な圧迫に気を付ける
テーピングは患部の負担を減らして、損傷部位を保護するのも目的のひとつです。
ただし、過剰な圧迫によって筋や腱を損傷してしまう場合があります。
③血流障害や神経圧迫に気を付ける
強く圧迫すると負傷部位の痛みが和らぐこともありますが、血管や神経を強く圧迫しすぎると麻痺や組織の壊死の恐れがあります。
とくに受傷直後は腫脹(腫れ)もどんどんでてくるので、腫れの逃げ場を作るなど注意が必要です。
また、静脈や毛細血管の血流が悪くなると局所的にむくみ(浮腫)があらわれます。このときにも神経や血管が圧迫されてしまうことがあります。
基本的に就寝中は剥がすようにします。
血流や神経圧迫を解除して、皮膚を休めることも大切です。
④皮膚の損傷に気を付ける。
水ぶくれ(水疱)や発赤、湿疹ができることがあります。
皮膚がテーピングとこすれたり、蒸れや粘着剤によってかぶれたりします。
また、繰り返しテーピングすることで表皮の傷みにも注意が必要です。
テーピングの内部は、高温で多湿になります。
皮膚に損傷が起きると細菌感染しやすくなってしまうのです。
体毛に逆らわずに皮膚をおさえながら剥がしましょう。
無理やりすると皮膚や毛細血管を損傷することもあります。
剥がしにくいときには、お湯につけたり、かけたりしながら剥がしたり、リムーバースプレーを使うなどしましょう。
粘着剤をキレイに落とすこと。(こすりすぎないで優しく洗う)
保湿剤を塗るなど肌のケアもしておくこと。
保管にも注意が必要
〇通気性のある場所で保管する
〇6か月くらいで使い切る(粘着が弱くなる・線維の劣化)
〇衛生的な場所で保管する
適切なテーピングをしましょう。
テーピングは簡単そうに見えますが、意外と奥が深く気を付けるポイントがたくさんあります。
また正しい知識や判断で行わないとケガや障害を悪化させてしまう恐れもあります。
①貼る前の準備
患部を清潔にして、水分・汗・脂分をよく拭き取ります。
体毛が密集している場合は、テープが浮いてしまうことがあるので剃毛(ていもう)をしたり、アンダーラップをしたりします。
②テーピングの目的
患部の状態を見極めること、動きの特性を理解することが必要です。
また、テーピング1本ずつにも目的をもって貼る必要があります。
③巻き方・種類
患部の状態によって、適切なテープを選択します。
またテーピングを施す肢位・姿勢(角度や強さ)にも注意が必要です。「ポジショニング」といいます。
④巻いた(貼った)あとの確認
引っ張りすぎたり、緩みすぎたりしたまま貼ると「しわ」ができます。
しわの部分で動いているうちに、皮膚が擦れることで水ぶくれや擦過傷、切り傷ができる恐れがあります。
また、血流障害や神経圧迫がないか、痛みなども必ず確認しましょう。
⑤他の注意事項
動かしすぎない!
テーピングはあくまで「補助」。完璧に患部を保護してくれるわけではないんです。
繰り返し使えない
一度のテーピングで皮膚はかなりダメージを受けます。皮膚が回復しないうちに繰り返し貼らないようにしましょう。
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