こんにちは。ほんだ整骨院の山内です。
朝、起きて足をついたとき「痛い!」。
足裏のかかと部分や土踏まず、足指のつけ根に強い痛みを生じる「足底腱膜炎」(そくていけんまくえん)。
中年以降の人に多いものの、ランニングをする人を中心に若い人でも増えてきています。
足底腱膜炎は足裏にある「足底腱膜」が過剰に酷使されることで、断裂や損傷を引き起こします。
今回の記事では、「足底腱膜の酷使」をする要因についてみていきましょう。
『足底腱膜炎の原因となる「リスク要因」。どんなことに気を付ける?』
このページでは「足底腱膜炎のリスク要因」について紹介しています。記事執筆時点での情報です。
正確な情報を記すよう努めていますが、医学的視点や見解の違い、科学の進歩により情報が変化している可能性もあります。
ケガをした場合は、記事だけで判断せず、病院などで正しい診断を受けることをおすすめします。
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足部縦アーチ(縦足弓)の酷使が原因
「足底腱膜」は足裏の浅層にある強靭な結合組織。
かかと部分から足指のつけ根(基節骨基部)まで扇状に広がって、足底部分を支えています。
この足底腱膜は「縦アーチ」の弦部分を担っていて、足が荷重を受けるたびに強い張力がかかっています。
「トラス構造」や「ウィンドラス機構」といって、衝撃を逃がしたり、歩行時の踏み返し(蹴りだし)を補助したりしています。
足底腱膜炎は足底筋膜炎(そくていきんまくえん)ともいわれています。
足底腱膜や短趾屈筋の微小断裂とそれに伴う線維の変性による損傷で、足底かかと部分に「骨棘」(骨のトゲ)を生じてしまうことも。
(踵骨棘自体は痛みの原因ではなく、過剰な牽引の結果。)
足底腱膜は日常でも大きな負荷がかかっている部分なので、足底腱膜炎の原因をひとつに絞ることは難しいです。
ですが、リスクとなる要因をひとつずつ対処していくことで、予防や改善につなげることができます。
足底腱膜炎は、痛みが完全に消失するまでに3か月以上から何年もかかることが多くあります。
仕事や競技をしながら、足底腱膜炎とうまくつき合っていくためにはリスクとなる要因を知っておくことが必要です。
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足底腱膜炎のリスクとなる外部要因
「外部」要因として考えられるのは、
どんな動作で負荷がかかるか?=動きや時間
どんな環境で負荷がかかるか?=くつや地面
もし、足底腱膜炎の症状が出ているときは、外部環境から改善してみるのもいいかもしれませんね。
運動・動き
ランニング
ジャンプ
登山
ゴルフ
サッカー
バスケットボール
剣道 など
どの運動も足部の縦アーチへの負担が大きいものばかりです。
足底筋群が弱体化していたり、足底腱膜の柔軟性が低下しているままこれらのスポーツや動きを繰り返してしまうと、足底腱膜炎のリスクにもなります。
上記以外のスポーツでもランニングやジャンプの多いスポーツもリスク要因のひとつです。
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足部の環境
かたい靴
ハイヒール
靴底が薄い
靴底がかたい
スパイク など
おもに地面と靴の形状に関するもの。
仕事や競技で使用するシューズは、パフォーマンスを向上させるだけではなく、足部の負担をやわらげるものを選びたいですね。
靴底が薄かったり、硬かったりすることでクッションが足部のアーチ任せになり、結果、足底腱膜の負担が増加します。ヒールの高い靴では足底腱膜が常に牽引されている状態(足趾が背屈している)ためにかかと部分に痛みが生じやすいです。
ゴルフや野球、サッカーのスパイクのポイント形状によっては、足底腱膜の一部分だけに強い圧力が加わってしまい、損傷を引き起こしてしまうこともあります。
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足底腱膜炎のリスクとなる内部要因
外部の要因と違って「体質」に関しては「改善しにくい!」という特徴があります。
その点、「状態」に関する要因については、改善していくことも可能です。
もう一度、自分の日常や仕事、趣味の生活を見直して、足底腱膜への負荷を軽くしてみましょう。
体質に関するもの
ハイアーチ
扁平足
内部疾患(膠原病や糖尿病など)
まず加齢。年齢を経てくると細胞の水分含有量が減少して、組織がもろくなります。「もろい」と当然、断裂(損傷)しやすくなります。
40代以降で60代ぐらいまでの人に多い疾患でしたが、ランニングやその他の運動習慣が一般化することで若年化してきている印象です。
アーチの高低も足底腱膜へ負荷を増大させる要素のひとつ。
ハイアーチでは足底腱膜が短縮していることが多く、負荷をかけ続けることで損傷します。
扁平足では足底腱膜が伸び切っている状態のため、さらなる負荷によって損傷しやすいです。
膠原病(こうげんびょう)や糖尿病では、膠原(こうげん)線維(おもにコラーゲン)が壊れやすい状態です。
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状態に関するもの
疲労
オーバーユース
足底筋群の疲労や筋力低下
下腿三頭筋(ヒラメ筋・腓腹筋)の疲労や筋力低下
歩き方や運動フォーム
体重の増加は足底腱膜への負荷を大きくします。
練習過多による足底腱膜への負荷もリスク要因。
下腿三頭筋(ヒラメ筋・腓腹筋)の疲労や筋力低下で、なぜ足底腱膜に負担が増えるのか疑問に感じる人も多いかもしれませんね。
下腿三頭筋は踏み返し(歩行時の蹴りだし)で強い力を発揮します。
また、ジャンプやターンなどの着地動作でも衝撃を吸収するために使われています。
下腿三頭筋がうまく使えない状況になると踏み返しや衝撃吸収の負荷が足部のアーチに集中します。
これによって足底腱膜や足底屈筋群の微小断裂が生じやすくなるのです。
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最後に。
足底腱膜炎になってしまうと、数か月単位~年単位で症状が続いてしまうことが多くあります。
その理由は、足底腱膜組織の変性(硬くなったり、もろくなったり)に起因すると考えられています。
簡単に説明すると足底腱膜の痛みは、
↓
組織の修復
↓
組織の変性(硬くなったり、線維軟骨化したり)
縦アーチへの負担
↓
組織の断裂
が繰り返されています。
長期にわたる治療期間中、足をまったく着かないわけにはいかないのでうまくリスクを分散する必要があります。
少しでも早く痛みが消失するように、運動や職場、日常生活でも工夫してみましょう。
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