アキレス腱炎・アキレス腱周囲炎。かかと後ろ側の痛みに気を付けよう!

こんにちは。ほんだ整骨院、山内です。

 

スポーツをしている方もしていない方もどちらもアキレス腱周りの痛みで悩んでいる人が多いですね。

ふくらはぎの筋肉が緊張していたり、合わない靴が原因だったりします。

今日は『アキレス腱炎・アキレス腱周囲炎』の話題です。

アキレス腱炎・アキレス腱周囲炎。かかと後ろ側の痛みに気を付けよう

※このページでは「アキレス腱炎・アキレス腱周囲炎」について紹介しています。記事執筆時点での情報です。
正確な情報を記すよう努めていますが、医学的視点や見解の違い、科学の進歩により情報が変わっている可能性もあります。
ケガをした場合は、記事だけで判断せず、病院などで正しい診断を受けることをおすすめします。

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アキレス腱炎・アキレス腱周囲炎とは?

アキレス腱は周囲にパラテノンという組織に覆われています。さらにその周りを脂肪組織が囲んでいてアキレス腱を守るような形になっています。

アキレス腱は、ふくらはぎにある筋肉が細くなっていくところで、かかとの骨にくっつきます。
ふくらはぎの筋肉(腓腹筋・ヒラメ筋)下図参照!

アキレス腱自体は伸び縮みはしませんが、ふくらはぎの筋肉は日常的にかなり働いている強靭な筋肉です。

アキレス腱炎は、
ふくらはぎの筋肉が伸び縮みすることによって、腱自体に微細な損傷が起こり炎症を引き起こした状態。

アキレス腱周囲炎は、
下腿三頭筋が収縮することで、アキレス腱が動き、それを囲む周りの組織が炎症を起こすことで発症します。

アキレス腱炎とアキレス腱周囲炎は別物の疾患です。
が、
ほぼ一体化した組織であり、鑑別が難しいです。

治療現場では、つま先を上下させて痛みが出る場所が
移動すると「アキレス腱炎
移動せず同じ場所に圧痛があれば「アキレス腱周囲炎
と判断します。

ただし、踵骨(かかとの骨)近くでの炎症の場合はどちらの場合も見分けづらいのが実情です。

整形外科では超音波などを使って診断する先生もいらっしゃいますね。

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アキレス腱炎・アキレス腱周囲炎の原因

①オーバーユース

はっきりいうと「使い過ぎ」のことが多いです。
やっぱり多いのがスポーツ選手で、ジャンプやターン、ランニングからのストップ動作の繰り返しで、炎症を起こします。

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②筋肉の柔軟性の低下。アキレス腱の耐久力低下。

疲労や加齢によって筋肉がかたくなることで、伸び縮みしないアキレス腱への負荷は強くなります。

若年者では、下腿三頭筋と腱への移行部(筋腱移行部)が損傷しやすいです。
加齢してくると腱自体の耐久性も減少しているので、腱自体やその周囲組織がダメージを受けやすいです。

③地面からの衝撃

①オーバーユースに近いのですが、下腿三頭筋は地面からの衝撃を吸収してくれる役割も持っています。

クッション性の低い靴で運動したり、縦アーチが消失して衝撃吸収機能が低下していると、下腿三頭筋の役割が大きくなります。

同じ理由で、膝関節や股関節、足部に疾患をもっていることで発症してしまう可能性もあります

アキレス腱炎・アキレス腱周囲炎の治療

腫脹や熱感があれば、冷却して安静にします。

運動はなるべく中止して、日常でも痛みが出るようであれば、つま先をやや下げた状態(ふくらはぎの筋肉を緩めるため)で固定します。

つま先に荷重するのは可能ですが、かかとはつかない方がいいでしょう。

痛みが治まってきたら、徐々に運動を再開していきます。
もともと過剰な負荷が原因なので、負担のかかる要因を解決することも必要ですね。

最初は、かかとを高くするようなインソールを使ってみてもいいかもしれません。

かかとを持ち上げることによって、腓腹筋、ヒラメ筋の牽引力を弱めて、アキレス腱とその周囲の負荷を減らします。

予防方法としては、ふくらはぎの筋肉の柔軟性を保つこと。
スポーツ時に痛むのであれば、フォームの改善やシューズやインソールなども効果的です。

また、人によってはシューズの紐を締めると後ろの縁が締まってアキレス腱周囲炎を引き起こすこともありますので、注意が必要ですね。

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アキレス腱炎・アキレス腱周囲炎にならないために。

まずは、靴!

歩いたとき、走ったときにかかとがブレてしまうと、下腿の筋肉ががんばって足首を安定させようとします。

そうすることを長時間、繰り返し継続すると、やがて筋肉は疲れ果て・・・、損傷して炎症を起こします。

かかとがブレないような靴を選びましょう。
このときにヒールがあまりにも低すぎると、ふくらはぎの筋肉の柔軟性が低いとこれも危ないです。
少しだけかかとが上がっているものの方がいいでしょう。

そして、体操&ストレッチ!

ふくらはぎの筋肉(腓腹筋・ヒラメ筋)柔軟性が低いとアキレス腱にかかる負担が大きくなります。
普段から動かしておくことで柔軟性を保ちましょう。

 

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