こんにちは。ほんだ整骨院山内です。
日本でも世界でも感染症が猛威を奮っています。まだ、ワクチンも薬もできていません。
頼れるのは自分の免疫機能と手洗いうがい、消毒などの自衛のみです。
早く収束するようにみんなで協力し合っていきたいですね。
さて、よく膝の痛みの解説にでてくる「半月板」。
患者さんとお話をしていると、有名な組織なんですが、意外にきちんと分かっていないことが多いのです。
ということで、
『膝の半月板。ケガをしやすいけど、過酷な環境で酷使される働きもの!』
これは半月切り。
膝の半月板はどこにある。
膝関節は、脛骨(下腿骨)・大腿骨・膝蓋骨の接続部分です。
3大荷重関節のひとつで、体重を受けるとともに、地面からの衝撃を吸収する場所です。
動きは基本的に屈曲(膝を曲げる)と伸展(膝を伸ばす)だけですが、わずかに回旋(ねじれ)の動きもあります。
膝関節は脛骨の関節面に大腿骨の関節面がのっかって、かみ合わさる形になっています。
半月板は、その関節面どうしの隙間を埋めるようにして位置しています。
大腿骨と脛骨の間にあるようなイメージです。大きい骨同士が関節する上に、体重や衝撃が絶えず加わります。さらにはその衝撃は膝が伸展時だけに起きるものではなく、いろんな角度で吸収しなくてはなりません。
膝をレントゲン撮影すると大腿骨と脛骨の間が少し開いてみえますね。
これは、大腿骨や脛骨の関節軟骨と半月板がレントゲン写真に移らないためです。
半月板の役割
半月板は、内側と外側にそれぞれひとつずつあります。関節面の1点で体重や衝撃を受けないように、関節面全体に荷重されるような構造になっています。
そうすることで、膝の屈伸運動のときにも安定性を保つ役割もあります。
関節液を充満させるのにも役立っています。
素材はいくらか柔軟性のある軟骨組織でできていますが、脛骨と大腿骨から大きな力が加えられる運命にありますよね。
しかも、屈伸運動の可動域は広い!
しゃがんだり、正座をしたり、あぐらをかいて捻じれたり・・・。
あなたの半月板も毎日がんばっているんです!
半月板は損傷しやすい!
膝の靭帯損傷の多くにこの半月板の損傷を伴います。
靭帯損傷は可動域を超える運動によって生じるものです。
ですから、
内部にあって膝関節の安定性を担っている半月板は、一緒に損傷される確率は高いでしょう。
もちろん膝に大きな衝撃が加わったり、体重が増加して日常的に負担が増えると単独で損傷することもあります。
損傷すると、摩擦によって半月板がささくれたようになったり、亀裂が入ったりします。
もちろん痛いです。
さらに、ひっかかったような感じやはさまったような感じにもなります。
他覚所見としては、腫脹や血腫もみられます。
昔は、半月板を損傷すると手術で切除されることがありましたが、最近では保存する治療が選択されることが多いです。
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半月板って再生するのか?
なかなか再生はしにくいようです。
外縁部には血管が分布していることから断裂や損傷があった場合は縫合することで治癒が期待できます。
が、
内縁部は血管が分布していないため、再生は難しいようですね。
とくに、地面に足を着いたまま身体にねじれの力が加わると膝に回旋力が加わります。
そうなると・・・、
体重がのった大腿骨関節面は、半月板と脛骨関節面をえぐるように傷つけてしまいます。
このときに傷つきやすいのが内側半月板の内縁です。
こういった損傷が長年積み重なると、半月板の内縁がどんどん削り取られたり、ちぎれてしまったりして、次は大腿骨や脛骨の関節面を傷つけていくことに・・・。
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これからの半月板の治療
半月板の外縁部損傷であれば、再生の望みがあります。縫合や部分切除や保存療法で治療することが多いです。
では、内縁部の場合はどうでしょうか。
こちらは、残念ながら再生は難しいといわれているので、膝がロックしたり、はさまって可動域を下げる場合には切除されてしまうことが多いです。
あまりにもひどくなって大腿骨や脛骨の関節面まで変形してしまうと、人工関節も視野に入れる必要もあります。
そこで、今注目されているのが「再生医療」です。
幹細胞から軟骨細胞をつくり、それを移植するっていう夢のような治療が研究されていて、臨床でも取り入れられるようになるでしょう。
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