足がつる!ふくらはぎの「こむら返り」予防。日頃から対策しておこう!

こんにちは。ほんだ整骨院、山内です。

 

夜間に突然、ふくらはぎに激痛!

こんな経験ありませんか?

一般的に「こむら返り」といわれているふくらはぎの激痛。どんなことが原因になるのでしょうか?

日頃からどんなことに気を付けていけばいいのでしょうか?

今日は「こむらがえりの対策」について紹介していきましょう。

腓腹筋

足がつる!ふくらはぎの「こむら返り」予防。日頃から対策しておこう!

※ご注意!
このページでは「ふくらはぎのこむら返り」について紹介しています。記事執筆時点での情報です。
正確な情報を記すよう努めていますが、医学的視点や見解の違い、科学の進歩により情報が変化している可能性もあります。
ケガをした場合は、記事だけで判断せず、病院などで正しい診断を受けることをおすすめします。

こむら返り?足がつる?

こむら返り

こむら返りとは、一般的には、ふくらはぎの異常収縮のことをいいます。

「こむら」とは、「腓」のこと。
ここでいう「腓」は腓腹部、つまりふくらはぎを指しています。

「つる」は「攣る」と書き、筋けいれんを表しています。
筋けいれんは、「筋痙攣」と難しい漢字を使いますが、「攣」が入っていますね。

ということで、

「こむら返り」はふくらはぎの筋けいれん。
「足がつる」は足のどこかしらの筋けいれんを表しているんですね。(有痛性筋けいれん

で、どんな状態かというと

一時的な「筋肉の異常収縮」

簡単にいうと力を抜けない状態が数秒~数分続きます。
このときに強い痛みが伴います。

ふくらはぎで起きることが多いのですが、土踏まずやももの裏側(ハムストリングス)でも起きやすく、どこの筋肉でも起こりうる現象です。

筋けいれんと肉ばなれとの違い

肉ばなれ…筋肉の損傷が起きる!
筋けいれん…筋損傷はない!

肉離れは、大義では「筋肉の損傷」のことをいいます。
ただ、筋肉の損傷は直接ものがぶつかって起きる直達外力によるもの(筋打撲)と筋肉が引きちぎれるように損傷する介達外力のもの(狭義の肉ばなれ)があります。

このうち介達外力によるものを「肉ばなれ」と呼ぶことが多いです。

一方、筋けいれんの場合は、多くが筋肉の損傷は起きていません。
ただしけいれんが長時間続いたり、強く起きたりしたときには、重い筋肉痛のような痛みが後々まで続くことがあります。

肉ばなれについての詳しい説明はこちらの記事で紹介しています。

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こむら返りってどうやって起きる?

腓腹筋の場所、起始・停止

こむら返りや足がつるメカニズムはあまり詳しくわかっていません。

ただ、筋肉の収縮には、神経の伝達と体内のイオンが関わっています。

筋肉には、筋紡錘腱紡錘という筋線維の張力(筋肉の伸び縮み)を感知するセンサーがあります。

筋紡錘(きんぼうすい)
筋肉の伸張を感知して、伸びすぎてちぎれないように脳に伝える。
腱紡錘(けんぼうすい)
筋肉が縮もうとすると筋肉の両端にある腱は引っ張られます。
これを感知するのが腱紡錘。ゴルジ腱器官ともいわれます。

筋紡錘と腱紡錘

さらに筋の収縮に関係するのが、カルシウムイオンカリウムイオン
体内のカルシウムとカリウムの調整はマグネシウムが行っています。

カルシウムイオンやカリウムイオンの不足だけではなく、マグネシウムの摂取量にも注意が必要です。
また、ナトリウムイオンもこむら返りには影響しているといわれています。

筋紡錘と腱紡錘、さらには体内の体液中にあるイオンバランスの変化が、脳と関係なく(不随意)筋肉を異常に収縮させてしまうのが、「筋けいれん」と考えられます。

こむら返りが起きやすい時間
夜間・睡眠時
疲労
起床時
バランス能力と姿勢を保つ仕組み
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こむら返りの原因と起きやすい要因

こむら返りの原因と考えられるもの
①栄養の偏り
②水分不足
③冷え
④熱中症
⑤寒暖差
⑥筋肉の疲労
⑦妊娠
⑧内科疾患

①栄養不足

栄養バランスが崩れていると体内の水分やミネラルバランスが崩れます。

②水分不足

体内のミネラルは、体液のなかでイオンとして存在するものもあります。

③冷え

冷えによる血流が不足することで、カルシウムイオンやカリウムイオンのバランスが崩れることがあります。

④熱中症

多量の発汗、脱水によって体内のイオンバランスが崩れます。

⑤寒暖差

寒暖差は筋肉の不随意の収縮を起こします。
(暑いと弛緩し、体温を外に逃がす、寒いと収縮し体温を逃がさないようにする)

⑥筋肉の疲労

筋肉が疲労することでカルシウムイオンを消費します。
筋疲労が残っていると、腓腹筋の組織におけるイオンバランスが崩れてこむら返りを起こすことがあります。

極端な例では、「重い布団」によって、筋肉が疲労して、足がつりやすくなるという例も報告されています。

⑦妊娠

ホルモンの影響でふくらはぎがむくんだり、血流がわるくなったりしやすいです。

⑧内科疾患

さまざまな内科疾患は体内の水分量に影響を与えます。
また、腰椎まわりの疾患は筋疲労を促進して、こむら返りを起きやすくさせることもあります。

こむら返りが起きやすくなる疾患(例)
腰椎椎間板ヘルニア
糖尿病
腎機能障害
甲状腺機能異常
下肢動脈硬化



他にもホルモン分泌異常による体内水分量を減少させる疾患など

こむら返りを予防する!

レッグウォーマー

〇水分補給
〇栄養バランス
〇筋肉を柔軟に。
〇冷やさない!

痛い痛い、こむら返りにならないためには、日頃からの生活を改善していくことが必要です。

水分補給

血流が悪くなることはこむら返りの危険因子のひとつです。
熱中症や脱水症状があるときに足がつりやすいのはこのためです。

運動中はこまめに補給したり、寝る前にはコップ一杯のお水を飲むようにしたり、お酒を飲んだ日はとくに水を多く摂るようにしたりして脱水を予防しましょう。

栄養バランス

食生活は大切です。
足がつるのはミネラルバランスによるものだといわれています。

とくにカルシウムとカリウムが筋肉の収縮に関わっています。さらにこのふたつのバランスをとるのがマグネシウム。

これらをうまく毎日の食生活に取り込んでこむら返りを防ぎたいものですね。

参考
カルシウム…乳製品に多い
カリウム…切り干し大根など
マグネシウム…海藻類に多い

筋肉を柔軟に保つ!

かたい筋肉は血流も悪くなりやすく、異常興奮を起こした時に周囲にその信号が伝わって被害が大きくなりやすいです。

また、運動不足によって、筋肉と脳との関係がスムーズでないとこむら返りも起こしやすいです。

適度に身体を動かして、血行を保ち、運動神経の働きをよくすること、柔軟体操(ストレッチ)などで柔らかい筋肉を保つことも忘れずに行いましょう。

冷やさない!

血液は筋肉へ必要な栄養分やミネラル、酸素を届ける役割をしていますね。
足元は冷えやすく、筋肉もかたまりやすいです。

寒い時期や空調が直接当たるようなときは、ひざ掛けやレッグウォーマーなどで冷えないように心がけましょう。

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こむら返りになってしまったら。

こむら返りになった時は患部を「伸ばす」こと!
自分ひとりの場合
患部を手でおさえる(つかむ)ことができればやってみましょう。
さらに自力で患部の筋肉を伸張させる(ストレッチ)ことができればやってみてください。
だれかが近くにいたら
とにかく患部を伸ばしてもらいます。
時間は30秒~2分ぐらいで治まってくるはずです。

あまりに長時間「つる」状態が続いてしまうと、何日間も痛みが続く「肉ばなれ」のような状態になることがあります。
筋肉の異常興奮を早めに解除してしまいましょう。

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自分でできるストレッチ。

波止場のポーズ

腓腹筋ストレッチ

両手をついてやってもいい!

 

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