膝蓋大腿関節症。膝の前面に痛みが出たら。

こんにちは。ほんだ整骨院山内です。

 

夜になると急激に気温が下がってきますね。
空気も乾燥してきているので、風邪やインフルエンザにも注意が必要です。

 

さてさて、今日も膝シリーズ

『膝蓋大腿関節症』

いってみましょう。

膝蓋大腿関節って?

膝蓋骨(膝のお皿)と大腿骨の前側は、膝の曲げ伸ばしの時にたがいにこすれ合っています。

大腿骨前側に膝蓋骨が通る溝があって、それがレールになって左右に外れない仕組みになっています。

関節面(お互いの接地面)は関節軟骨という組織でできています。関節軟骨の表面はスベスベしていて、さらに関節液で潤滑されていて通常はほとんど摩擦はない状態です。

膝蓋大腿関節症とは?

膝蓋骨または大腿骨の関節面を覆う関節軟骨が傷ついて摩擦が起きやすくなった状態で、膝の曲げ伸ばしや階段の昇降などで痛みがでます。

膝蓋大腿関節症の原因とは?

原因①

膝蓋骨は大腿四頭筋の腱に大腿骨へと押し付けられていています。階段の下りやジャンプの着地時などで大腿四頭筋に強い力が働くと過度に膝蓋骨と大腿骨の関節軟骨に摩擦が生じることになります。

これが繰り返されていくと関節軟骨の表面部分が削られます。これによって、炎症が何度も起こると関節軟骨の変形がすすみ、膝を動かしたときに痛みがでます。

原因②

女性の中にはもともと関節が緩かったり、妊娠時に関節のゆるみが生じたりして、膝蓋骨が大腿骨外側のレールから外れる「膝蓋骨脱臼」が起こることがあります。

とくに膝が過伸展になる『反張膝』や『X脚』の人が脱臼を起こしやすいです。
この脱臼をしたときに膝蓋骨を押さえつける支帯(靭帯)が傷つくことでより脱臼しやすくなります。

脱臼するときに大腿骨の外側の山(大腿骨外側顆)を乗り越えることになります。
この時、膝蓋骨や大腿骨の関節軟骨が傷つくことで痛みや摩擦を生じます。

対処法は?

熱感をもっていたり、腫れがある場合には冷やして安静にしましょう。

痛みがひき、炎症がなくなったら膝蓋骨を安定させるために膝周りの筋力強化を行います。

膝蓋骨が脱臼しやすい人はバンドやサポーターを着用することで、膝蓋骨が外側にずれないようにします。

大腿四頭筋のうち、内側広筋は膝蓋骨が外側にずれるのを防いでくれる筋肉です。
これを強化しておくと膝蓋骨の動きが安定し、摩擦も起きにくくなります。

内側広筋の鍛え方は、座って膝関節を伸ばしていくのですが、この時の伸展は膝が完全に伸びるまで行うこと。
内側広筋は膝を伸ばしていった最後の「グッ」というところで使われます。

足首にチューブを巻き付けたり、重りを足首につけることで負荷を大きくすることができます。

ただし!

膝の曲げ伸ばし時は膝蓋大腿関節にも負担はかかります。あまり負荷を強くしてしまうと膝蓋大腿関節症を悪化させる恐れもありますので、慎重に行いましょう。

最後に

膝蓋骨は大腿四頭筋の腱の摩擦を防ぐためにありますが、膝蓋大腿関節症のようにそれ自体が障害となってしあうこともあります。

日頃から大腿四頭筋の伸長力を高めておいて、摩擦の少ないように予防しておくことが大切です。

詳しくストレッチなどの方法を知りたい方は、スタッフにお尋ねくださいね。

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