膝の側副靭帯の損傷。後々、変形性関節症の原因にも!

こんにちは。ほんだ整骨院、山内です。

寒い地方からだんだんと紅葉も進んでいるようですね。
関東南部は11月後半ぐらいにはきれいになっているでしょうか。

さて、秋です。
秋といえば・・・食欲の秋!

ではなくて、
スポーツの秋!

ということで、
今日はスポーツでありがちなケガ

『膝関節側副靭帯の損傷』についてです。

※このページでは「膝関節側副靭帯損傷」について紹介しています。記事執筆時点での情報です。
正確な情報を記すよう努めていますが、医学的視点や見解の違い、科学の進歩により情報が変わっている可能性もあります。
ケガをした場合は、記事だけで判断せず、病院などで正しい診断を受けることをおすすめします。

内側側副靭帯・外側側副靭帯

膝関節の側部には内側側副靭帯と外側側副靭帯がついていて、関節が横にブレるのを防いでいます。

損傷していたり、以前に損傷してしっかり固定できずに緩んで治癒してしまったりすると、歩行時や運動時に横に崩れるような感覚になります。

損傷する原因

コンタクトスポーツや運動時の転倒によって、直接的に側副靭帯に外力が加わり損傷するものと、膝関節のねじれや内反、外反による間接的に損傷する場合とがあります。

比率としては断然、間接外力によるものが多いです。とくに多いのが膝関節に回旋力(ねじれ)で起こることが断然多いです。

合併症に注意

膝の側副靭帯は単独で損傷もありますが、前・後十字靭帯や半月板の損傷を伴うことも多いので注意が必要です。

損傷の程度によっては膝の側方動揺性(そくほうどうようせい)といって、足部をケガをした靭帯の反対側に動かすと曲がってしまうこともあります。

症状

損傷した側副靭帯の付着部に強い圧痛がみられます。さらに膝関節内に出血による腫れも出ます。

体重はのせられても強い不安感があってケガした方の足で立つのは怖いかもしれません。

初期処置が大事

ケガをしたら運動は中止して、冷却しながら安静にすること。

側副靭帯は関節を軽く屈曲すると緩みます。この状態でなるべく固定します。
しっかり固定して回復させないと後々、膝関節にゆるみが出て、半月板や関節軟骨の変形につながる恐れがあります。

固定の期間は軽いものでも2週間ぐらいは必要です。

損傷の程度が激しいと膝関節が大きく腫れて、他の靭帯や半月板の合併症も心配です。
医療機関で必ず診断を受けてください。

リハビリはしっかりやりましょう。

側方動揺性を抑えるサポーター(両サイドにステーの入ったしっかりしたもの)を着用して、関節可動域を最大まで広げます。

靭帯には位置覚といって、関節の角度を認知する機能が備わっています。靭帯を損傷するとこの機能が失われてしまいますが、リハビリをすることでもう一度感覚を取り戻すことが目的です。

固定期間に失った筋力を取り戻すことで膝関節の安定性を高めましょう。

しっかり治療しないと変形の原因にも!!!

膝の側副靭帯は、膝の横方向へのズレを防止してくれていますよね。

しっかり治療をして、損傷前と同じ長さで治癒してくれれば問題はありません。

しかし!!!

固定が緩かったり、固定期間が足りなかったりすると・・・損傷前よりも靭帯が延長して治癒してしまうこともあるんです!

靭帯が緩んでしまうともとに戻すことはできません。結果的に何がおきるかというと。

関節運動時の摩擦が大きくなる!

要は、踏み込んだり、しゃがんだりした時に関節面が「暴れ」ることによって、関節軟骨が傷つく結果になります。

関節軟骨が傷つくことが繰り返された結果は、多くの人が悩む、

変形性膝関節症!!

変形は受傷後すぐに進むわけではありません。何年・何十年後に結果として出てくることがあるのです。

荷重関節である膝は日々、体重を支え、地面からの衝撃を吸収し、歩行時の推進力を作り出しています。

徐々に変形を進行させてしまうのです。

固定期間・固定強度・リハビリ期間を確実にすることで変形を防ぐことができます。

まとめ

〇膝が捻じれることで損傷しやすい
〇半月板や関節軟骨、前・後十字靭帯の損傷との合併に注意
〇しっかり固定すること
〇リハビリ期間も治療期間にいれること!

内側・外側側副靭帯の損傷ではしっかり治療することで後の障害を防ぐことができます。
専門家と相談してきちんと治療してくださいね。

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