こんにちは。ほんだ整骨院山内です。
秋もだいぶ深まってきました。紅葉も徐々に進んできているようです。
先日『鵞足炎』という膝内側の痛みについてお話しました。
今回は膝の外側の痛み
『腸脛靭帯炎』
についてのお話です。
みなさんは、ランニングや陸上競技、サッカー、階段の上り下りなどで膝の外側に痛みを感じたことはありませんか?
大腿部の外側から膝の外側を走る組織で、腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)と大腿骨(だいたいこつ)がこすれて痛むことが原因です!
「腸脛靭帯炎」(ちょうけいじんたいえん)
「ランナー膝」
「ランナーズニー」
いろいろと呼び方があって、違う障害のようですが、同じ場所の炎症を指していますよ!
※ご注意
このページでは「腸脛靭帯炎」について紹介しています。記事執筆時点での情報です。
正確な情報を記すよう努めていますが、医学的視点や見解の違い、科学の進歩により情報が変わっている可能性もあります。
ケガをした場合は、記事だけで判断せず、病院などで正しい診断を受けることをおすすめします。
腸脛靭帯炎とは。
大殿筋と大腿部全体の筋肉を包む大腿筋膜。その筋膜に張りを与えている大腿筋膜張筋が下腿骨(脛骨)に付着します。
その大腿筋膜張筋が細くなって腱になったところが腸脛靭帯です。
腸脛靭帯は大殿筋の筋膜にも作用して、身体を外側への力に対抗する役割で骨盤を安定させています。
腸脛靭帯炎は大腿骨末端部分の大腿骨外側上顆(だいたいこつがいそくじょうか)との摩擦が生じることで起きる痛みです。
※大腿骨外側上顆(だいたいこつがいそくじょうか)
膝の上、外側にあるふくらみのこと。
腸脛靭帯はこのふくらみを超えて、膝関節の下側にある脛骨(けいこつ)に付着するので、大腿骨の向き(つま先の向き)によっては、こすれることがあります。
ランニングをしている方に多いことから「ランナーズニー」ともいわれています。
腸脛靭帯と大腿骨がこすれることで、近くにある滑膜が炎症を起こします。足の着き方や坂道などの地面が大きく影響しています!
腸脛靭帯炎の症状。
症状
〇ランニング中に痛み。
〇炎症が強いと腫れ。
〇つま先を外側に向けて歩いたり、走ったりすると痛み。
〇初期症状は、運動直後の痛み
〇ひどくなってくると運動中にも痛み
〇大腿骨外側上顆に圧痛。
〇腸脛靭帯全体の緊張。
膝の外側、とくに大腿骨外側上顆周囲に痛みを感じます。
重症度に応じて痛みの出る頻度、時間が増加していきます。
炎症が強くなると膝全体に痛みを生じることもあります。
変形性関節症や外側半月板損傷や外側側副靭帯損傷との鑑別が必要ですが、圧痛点ほか臨床症状により鑑別は容易です。
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腸脛靭帯炎になりやすい原因
基本的には膝関節屈伸運動のオーバーユース(使い過ぎ)によるものです。
腸脛靭帯との摩擦を起こしやすい背景があります。
〇内反膝(O脚)
物理的に腸脛靭帯がこすれやすい
〇足部の回外(足底の外側荷重が強い)
上記のO脚気味の足の着き方になりやすい
〇ランニングフォームが悪い
地面をけった足が身体の内側にいく
〇股関節の内旋が強い
股関節が内旋していると膝関節外側に前方への負荷がかかりやすい
股関節内旋とは脚が内股気味になっている状態です。
〇下肢の筋肉の硬さ
筋肉が硬いと腸脛靭帯が引っ張られて摩擦が起きやすい
などです。
治療は。
基本的に患部の安静です。熱感があれば冷却をします。
急性期の後は股関節まわり、大腿部、足首まわりの筋緊張をゆるめ、柔軟性をアップさせておきましょう。
RICE処置ってどうすればいい?⇒ケガをしたときの応急手当て「RICE(ライス)処置」ってな~に?
患部の冷却は応急時に有効です!⇒受傷後の【アイシング(冷却)】治療期間を短縮する効果あり!
予防。
この腸脛靭帯炎は、長距離ランナーに多い疾患です。特に臨床をしていて感じるのは左側に多いです。
道路でランニングするときに左端を走行することが多いのが原因なのではないかと推測できます。
道路を断面的にみると路側部に向かって軽い傾斜がついていますね。その傾斜がランニングするうちに腸脛靭帯を大腿外側上顆に押し付けています。
再発しないためにしっかりフォームやインソール、ストレッチを見直すこと、ランニングの場合は走る路面を変えてみたり、普段とは反対周りにするなどの工夫をすることが大切です。
いつでもご相談くださいね。
足裏の筋肉をケアしておきましょう!⇒あしうら(足底)の筋肉を「鍛える」&「ほぐす」で足の不調を防ぐ!
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