モートン病。気になる原因と対処法は?

こんにちは。ほんだ整骨院山内です。

多くの人が悩む足の痛み。

モートン病

第3・4趾(中指と薬指)に起きることが多いのですが、他の足指でも生じることがあります。

この痛みは、「激痛」ともいわれて、足を着くのも怖くなるほどだといわれています。

安静にして痛みがでないようにしておくと、疼痛はひくこともありますが、繰り返してしまうことも多いです。

今回は「モートン病の原因と対策」について紹介していきます。

モートン病。気になる原因と対処法は?

※ご注意!
このページでは「モートン病」について紹介しています。記事執筆時点での情報です。
正確な情報を記すよう努めていますが、医学的視点や見解の違い、科学の進歩により情報が変わっている可能性もあります。
ケガをした場合は、記事だけで判断せず、病院などで正しい診断を受けることをおすすめします。

モートン病とは?

モートン病は中足骨頭部で足指のさきに行く神経が圧迫されて起きる耐え難い痛み。浮き指や開張足、靴の圧迫によって起きることが多い。第3・4趾間に起きることが多いが、他の指でも起きる。

足裏側の神経は中足骨の間を通っています。
この神経が隣り合う中足骨頭部に絞扼(こうやく)されて、痛みやしびれが生じている状態です。

多いのが第3、4趾(中指・薬指)の間で、他の指でも起こることがあります。

人によっては骨と地面に当たった神経が腫れて、神経腫(しんけいしゅ)を形成することもあります。

中年の女性に多いとされますが、どの年代でも生じる神経絞扼障害(しんけいこうやくしょうがい)です。

症状は強いものから弱いものまでありますが、時に激痛を伴うことがあり、「耐え難い痛み」と表現されることもあるほどです。

鑑別疾患の例
中足骨頭部痛
中足骨頭壊死(ちゅうそくこっとうえし)
フライバーグ病
足根管症候群
青文字は詳しい記事へのリンク。
実際の病態は、荷重されたときに中足骨頭・深横中足靱帯・地面との間で神経が締め付けられていると考えられます。

モートン神経腫

モートン神経腫とは、足の第3、4趾間の神経が深横中足靱帯(しんおうちゅうそくじんたい)、中足骨頭部、地面に圧迫され続けることで瘤(こぶ)のようにふくれてしまったもの。

神経鞘腫(しんけいしょうしゅ)ともいわれます。
繰り返し刺激を受けることで、組織が肥厚(ひこう)、線維化して、瘢痕化(はんこんか)したもの。

モートン神経腫は、足指の先端へ向かう神経が中足骨頭部で繰り返し圧迫されることで。線維化・肥厚して瘤状になる。より絞扼されやすくなるので疼痛も増悪。

良性のもので転移したり悪性化したりする心配はありません。

ですが!

より一層、絞扼されやすくなるので痛みも倍増
大きくなって、症状が重い場合には、手術が必要になることもあります。

モルダーテスト。中足骨頭部を締め付けながら、第3・第4中足骨頭部を圧迫。疼痛が誘発されれば陽性でモートン病の疑い

モルダーテスト
前足部を締め付けるようにして、第3~4趾の中足骨頭部の付近を押すことで、症状が再現されるかどうかを調べます。

モートン病の原因

モートン病の原因。前足部に荷重すると広がるので、深横中足靱帯が伸びる。これによって趾間にある神経が地面に押しつけられることで発症する

まず、モートン病の方の大半の方に横アーチの消失がみられます。

この横アーチが消失していると、前足部(足指側)に体重をかけた時に、中足骨頭部と深横中足靱帯が神経を絞扼(締め付ける)しやすくなります。

これにハイヒールで前足部に体重がかかると、さらに神経圧迫が強くなるのです。
幅の狭い靴やつま先を締め付けるソックスも原因のひとつです。

横足アーチが消失すると、趾間神経が中足骨頭と地面、深奥中足靱帯に絞扼しやすくなり、モートン病を発症しやすい

神経絞扼する組織は、中足骨頭部、深横中足靱帯、地面。
神経の走行や骨の形状によって、挟まれる場所が違うことがあるようです。

もうひとつ。
関節リウマチや外反母趾、開張足、マレット趾といった足の変形によっても神経絞扼が起きやすくなります。

ガングリオン滑膜炎が原因になることもあります。

足部の骨の形状と役割についてはこちらの記事でも解説しています。

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症状は激痛。

 

  • 前足部への荷重時痛
  • 足趾(MTP関節)背屈時疼痛
  • 足指の感覚異常
  • 足指のしびれ
  • 灼熱感(しゃくねつかん)

MTP関節(中足指節関節)が伸展(背屈)している状態(つま先立ちのような状態)で、中足骨頭部と地面との間に神経が圧迫されると、激しい痛みを生じます。

他には歩行時に指の方へ放散する痺れ・痛み・灼熱感・感覚異常・さまざまな神経症状を訴えます。

以前、私もこのような症状になった事がありました。

サッカーをしている時で、スパイクを新調した際です。
足幅がせまいスパイクで、さらにちょうど第3,4指の間あたりにポイントが当たるのです。
その状態で、指が背屈されたとき・・・・!!!!!!

耐え難い痛み!!!

「このことを言うんだな。」

人によっては道路上を歩いていて点字ブロックを踏んで、「耐え難い痛み」を経験する人もいました。

ただし、荷重の具合や靴、動きによって痛みが発生したり、しなかったりすることも。

前足部への荷重やつま先立ちで悪化します。

前足部の変形について

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治療と対策

靴底が分厚く、前方が丸くなっているので、MTP関節への荷重を減免、背屈運動も抑えられる。

治療は神経を絞扼しないようにすること。
足を着くだけでも痛いときには完全免荷(体重をかけない)。
松葉づえが必要になることもあります。

ヒールを低くする
前足部に体重がかからないようにするために行います。

靴のみなおし
靴幅が狭いと前足部の荷重時に指の間の神経が絞扼されやすいです。
中足部を締めつけないこと!
ロッカーボトムといって、足指が背屈しないようにできている靴を履くのも有効です。

インソール
足に合わせたインソールで横アーチ、縦アーチをサポート。
第2中足骨の骨幹部を持ち上げることで、神経圧迫が弱まります。

手術
神経腫となって症状が出ている場合は手術で取り除くことも。

テーピング
横アーチを強化するようにテーピングをすることで、足部の形状を保ちます。(第2中足骨を持ち上げる!)
足趾を背屈制限(反らせない)ようにすることで、中足骨頭部を接地させないようにすることも有効です。

五本指ソックス
指先を締めつけない効果があります。
足指を使いやすくなる効果も。

歩き方
足趾を屈曲して歩く。地面をつかむようなイメージ。
中足骨頭部が浮いて接地しないので絞扼されにくくなります。

まとめ

  1. 第3、第4指に起きることが多い!
  2. 症状は激痛やしびれ、灼熱感
  3. 中足骨頭部での神経絞扼障害
  4. 開帳足、靴の締め付け、ハイヒール
  5. テーピングやインソールでの矯正も有効。

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