足裏の各部の名前や呼び方

こんにちは。ほんだ整骨院の山内健輔です。

足の裏側の各部にもいろいろな名称があります。
専門的な呼び方と一般的な呼び方を混ぜながら、相手に伝える必要があります。

指や手で示して相手に伝えられれば、正確に伝わりやすいですが、ときには言葉で伝えなくてはならないことも。

そんなときに間違って使うと誤解を招くことにつながってしまいます。
いざというときのためにも正しく覚えておきたいですね。

今回の記事では、足裏の各部名称とちょっとした知識を紹介していきましょう。

足裏の各部の名前や呼び方

※ご注意!
このページでは「足裏の各部名称」について紹介しています。記事執筆時点での情報です。
正確な情報を記すよう努めていますが、医学的視点や見解の違い、科学の進歩により情報が変化している可能性もあります。
ケガや痛みがある場合は、記事だけで判断せず、病院などで正しい診断を受けることをおすすめします。

足の裏。部位ごとの名称

足の裏側。
この部分自体もいろいろな呼び方があります。

足裏(あしうら)
足底(そくてい)
(あしのうら・せき)

足裏全面のことを指します。

足ウラは、体重を受ける部分でもあります。
皮膚(表皮+真皮+皮下組織)は分厚く、強い刺激にも耐えられるようになっています。

脂肪体脂肪体は体重が乗る場所に分厚くなっている
踵骨や母趾球、小趾球、中足骨頭部など荷重を受ける部分に豊富で、骨やそのほかの組織を守る。
荷物の緩衝材で使われる「プチプチ」のように、弾性のある線維(コラーゲン)で隔てられた隔室(蜂の巣状)に脂肪組織が詰まって、衝撃吸収する。
「Fat Pad」(ファットパッド)ともいわれる。

かかとの脂肪体が薄くなる?

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滑液包(かつえきほう)足底側にも滑液包は豊富
足裏には骨以外にも腱や筋肉、神経といった軟部組織も豊富。
荷重を受けたり、動くために「滑走」する必要があるため、滑液包が存在し、滑液を放出したり、それ自体が摩擦軽減の役割を担う。

滑液包の炎症は?

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メカノレセプター足裏のメカノレセプターは歩行時に荷重がかかる場所に集中する
深部感覚受容器とよばれ、地面の情報を脳に送るためのセンサー。バランス保持や姿勢維持のために日ごろからフル回転で使われている。

メカノレセプターとは?

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かかと

「かかと」というと「踵骨」(しょうこつ)全体のことを指します。
「くびす」「きびす」と表現されることもありますね。

正確に表現するには、「足裏のかかと」や「かかと足底側」と表現するほうがいいかもしれません。

専門的には、かかとの骨の後側を「踵骨隆起」(しょうこつりゅうき)と呼びます。(関連記事:踵骨の部位名称
その下側なので、「踵骨隆起底部」や「踵骨隆起底側」と表現することが多いです。

かかとのどこが痛い?

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土踏まず

土踏まずは足底弓蓋や足円蓋ともよばれる内側縦アーチのくぼみ。

足の内側にあるえぐれた部分は「土踏まず」。
これは、足部のアーチ部分のこと。

「足底弓蓋」(そくていきゅうがい)
「足円蓋」(そくえんがい)

と呼びます。(あまり使われていませんが……)

他には、縦足弓(じゅうそくきゅう)や内側縦アーチといったりしますが、こちらは部位そのものを表すというよりも、「弓」部分を指す言葉といえます。

足部の縦アーチを詳しく解説!

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母趾球

母趾球は脂肪体。短母趾屈筋・母趾外転筋・母趾内転筋・種子骨で構成される。

足親指のつけ根部分を「母趾球」(ぼしきゅう)といいます。
中にある第1中足骨頭部が大きいのと筋肉のボリュームによって、膨らんだボールのように見えます。

母趾球の内部は、

第1中足骨頭部
母趾外転筋(ぼしがいてんきん)
短母趾屈筋(たんぼしくっきん)
母趾内転筋(ぼしないてんきん)
母趾種子骨(ぼししゅしこつ)
脂肪体

で構成されます。
歩行時の踏み返し(蹴りだし)で使われる大事な部位です。

母趾球周辺の痛みについて

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小趾球

小趾球は荷重を受ける部分で脂肪体(ファットパッド)が多く分厚くなっている。内部には短小趾屈筋・小趾外転筋が存在する

母趾球の反対側、足小指側は「小趾球」(しょうしきゅう)
こちらも体重がのる部分でもあり、アーチの着地部分でもあります。

母趾球よりも小さく見えます。

第5中足骨頭部
小趾外転筋(しょうしがいてんきん)
短小趾屈筋(たんしょうしくっきん)
脂肪体

で構成されます。
歩行時には、かかとで着地したあと、小趾側を通って小趾球、母趾球へと体重移動がなされます。

中足骨頭部(足指のつけ根)

趾のつけ根を中足骨頭部と呼ぶことが多い

足指のつけ根部分は、「中足骨頭部」(ちゅうそくこっとうぶ)と呼ばれます。

歩行時やつま先立ちで体重がのります。
この部分も衝撃緩和のための脂肪体(ファットパッド)が豊富な部分。

横アーチ消失や足の型(足指の長さ)によっては、踏み返し(蹴りだし)が第2中足骨頭部になる場合があり、オーバーユースによる障害も起きやすい部位です。

中足骨頭部痛はどんな疾患?

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※中足骨は「前足部」に属する!
足部は前足部・中足部・後足部に分けられます。
前足部━足趾骨・中足骨
中足部━楔状骨・舟状骨・立方骨
後足部━距骨・踵骨
足部は前足部・中足部・後足部に分けられる。 前足部は中足骨と趾骨。中足部は舟状骨・楔状骨・立方骨。後足部は距骨と踵骨からなる

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足指の呼び方。

足指の図。

足の指にもいろいろな呼び方があります。

足指(あしゆび・そくし)
足趾(そくし)
趾(あしゆび・そくし)

さらに指の間のことを「趾間腔」(しかんくう)や「趾間部」(しかんぶ)。
趾間部にある皮膚の部分を「趾間みずかき」と呼ぶこともあります。

足指は、足の親指を第1趾と呼び、外側に向かって第2趾、第3趾、第4趾、第5趾と呼ぶほか、母趾(ぼし)、示趾(じし)、中趾(ちゅうし)、薬趾(やくし)または環趾(かんし)、小趾(しょうし)ともいいます。

第1趾=母趾(ぼし)
第2趾=示趾(じし)
第3趾=中趾(ちゅうし)
第4趾=薬趾(やくし)または環趾(かんし)
第5趾=小趾(しょうし)

趾の剥離骨折とは。

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参考

山田整形外科 様『~足の裏の痛み~ 踵痛編』より

脂肪体は主に衝撃吸収や関節の動きを滑らかにするための働きをします。踵骨脂肪体は分厚く、膨らんだり縮んだりすることで踵接地時の衝撃吸収を行っています。脂肪体は神経が豊富なため痛みも感じやすい組織となっています。