こんにちは。ほんだ整骨院の山内健輔です。
手や足にできるこぶのようなしこり。
ガングリオン
結節腫や粘液嚢腫(ねんえきのうしゅ)ともいわれています。
「痛くはないけど、だんだん大きくなっている気がする」
「このまま放置していていいのだろうか?」
不安になりますよね。
結論的には「放置」ではなく、
経過観察すること!
場所や大きさによっては関節の動きを邪魔したり、神経を圧迫して痛みやしびれのもとになってしまうことがあります。
今日は「ガングリオン」について紹介していきましょう。
『手や足にできるしこり「ガングリオン」は放置していていい?』
このページでは「ガングリオン」について紹介しています。記事執筆時点での情報です。
正確な情報を記すよう努めていますが、医学的視点や見解の違い、科学の進歩により情報が変化している可能性もあります。
ケガや痛みがある場合は、記事だけで判断せず、病院などで正しい診断を受けることをおすすめします。
ガングリオンってなに?
女性に多い、手や足にできやすい、こぶのようなしこりで、内容物は滑液や関節液の一部が濃縮されたもの。
粘性のある液体で、無色~黄色の透明でゼリー状になっている場合もあります。
ガングリオンの硬さは、内容物の密度によっても違いがあり、弾力性のあるものや液体で押すと引っ込むようなものなどさまざまです。
どこにでもできますが、関節部分や腱鞘から発生することが多いです。
というのは、滑液包がある場所は関節近くや腱が摩擦を起こすような場所にあるため。
関節包や滑液包の一部分がで嚢状(のうじょう:袋状)に突出、そのなかに滑液が貯留することで発症します。
嚢状になった組織は「茎」とよばれる管で関節包や滑液包につながっているので時間が経つほど大きくなる可能性はあります。
表面からは見えない、わからない深層部分にできるガングリオン。
手首の手根管内部に発症すると、手指のしびれや運動障害が生じます。
発症する原因は不明です。
ただし、外傷や使いすぎによって、周囲の支持組織(靱帯や筋肉、筋膜など)が損傷。(捻挫が発症のきっかけになることも)
そのときに、内側にある滑液包や関節包の内圧が高まることで損傷個所から突出していると考えられます。
(女性に多いのは支持組織が柔軟なためと考えられます)
できる場所は圧倒的に手が多く、手首の掌側・背側、手指の関節にできる頻度が高いです。
厳密には、関節包と連絡のある(つながっている)滑液包のことを「滑膜嚢胞」といわれています。
滑膜嚢胞が腫れて腫瘤となったものを「滑膜嚢腫」(かつまくのうしゅ)といいます。」
ガングリオンの症状
症状は、突出した腫瘤という他は、基本的に無症状です。
ただし、できる場所や大きさによっては症状が出ることもあります。
関節近くにできるので、あまりに大きくなりすぎると、関節運動を阻害してしまうことがあります。
大きくなることで周囲の腱や神経を圧迫してしまうことも。
腱鞘炎や神経障害の原因にもなります。
また、関節付近で血管を圧迫・絞扼してしまうと血流障害やむくみがでることもあるので注意が必要です。
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放置して大丈夫?
判断が見分けにくい疾患として、
- 紛瘤(ふんりゅう)
- 脂肪腫(しぼうしゅ)
- 悪性腫瘍(あくせいしゅよう)
などがあります。
一度は整形外科で診断を受けるべきです。
診断は超音波やMRIで行われます。
治療は、基本的に「経過観察」が行われます。
「放置」ではないので注意しましょう。
というのは、最初は無症状でも大きくなってくることで神経や血管の圧迫、関節運動の阻害が起きてくる可能性があるからです。
症状が出てきたり、整容的に問題がある場合は、「注射器やメスで内容物を排出する」外科処置が行われます。
※注射器での排出では再発することも多い!
それでも繰り返し内容物が溜まるようなら、手術を行います。手術をしても再発する可能性もあります。再発を防止するためには、上記の茎を含めたガングリオンの摘出が必要であり、関節包の周囲に生じているガングリオン予備群の娘シスト(別の小さなシスト)の存在にも留意しなければなりません。
日本整形外科学会ホームページ「ガングリオン」より引用
ちょっと前までは押しつぶして散らしてしまう方法も行われていましたが、痛みを伴うこと、別の損傷を引き起こすリスクがあることなどからあまり行われなくなりました。
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まとめ
- ガングリオンは関節包や滑液包の一部に滑液が貯留し、突出したもの
- 関節や腱鞘の近くにできることが多い。
- 基本的に無症状。
- 女性のほうが多い。手部で頻度が高い。
- 深層に発生するものは「オカルトガングリオン」
- 神経や血管を圧迫することがある。
- 経過を観察して、症状が強くなれば外科処置も必要。
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