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剥離骨折(裂離骨折)とはどんな骨折?原因と特徴。気を付けることは?

こんにちは。ほんだ整骨院山内です。

 

突き指をした!
足を捻挫した!
太もも裏を肉離れした!
野球肘になった!

気を付けていても、日常生活ではどうしてもケガしてしまうことってありますよね。

軽いケガだと思っても、「ちょっと待ってください。」

実はその痛みが「骨折」によるもので、きちんと治療していないばかりに後遺症が残ってしまうことにもなりかねません。

今回は「ちょっとしたケガ」として見過ごされやすい骨折。

「剥離骨折」(裂離骨折)

について紹介していきます。

剥離骨折(裂離骨折)とはどんな骨折?原因と特徴。気を付けることは?

※ご注意!
このページでは「剥離骨折」について紹介しています。記事執筆時点での情報です。
正確な情報を記すよう努めていますが、医学的視点や見解の違い、科学の進歩により情報が変化している可能性もあります。
ケガをした場合は、記事だけで判断せず、病院などで正しい診断を受けることをおすすめします。

剥離骨折(裂離骨折)はどんな骨折?

つまづくことで起きる腱による剥離骨折

剥離骨折(はくりこっせつ)の正式な名前は「裂離骨折」(れつりこっせつ)

一般には「剥離骨折」といわれていますが、医療現場では「裂離骨折」といわれることの方が多いです。

剥離骨折(裂離骨折)とは、

筋肉や腱、靭帯の牽引力(引っ張る力)によって、その付着部や起始部の骨や骨膜がはがされるように損傷するもの

です。

たとえば、

〇ジャンプの着地による大腿四頭筋の牽引力で脛骨が剥離骨折
〇ハードル競技で足を前方に振り上げて坐骨結節が剥離骨折
〇野球の投球動作で上腕骨内側上顆の剥離骨折
〇バスケットボールが指先に当たり、末節骨剥離骨折




などなど

どうしても、剥離骨折は捻挫や打撲、腱鞘炎の延長線上(ひどくなったもの)にあるので、見逃されがちだったり、軽く見られがちだったりします。

とくに「亜急性」(微小な損傷を繰り返す)のものは、自分でも骨折に気づかないことがかなり多いので注意が必要です。

剥離骨折って「骨折」
骨折とは、骨組織の損傷のことをいいます。
剥離骨折は、骨膜や骨実質が損傷してしまうものなので立派な「骨折」です!

剥離骨折の原因と多い場所

腱の付着部

↑腱や靭帯の付着部では、一部が骨膜に直接くっつき、他の一部は骨膜を貫通して骨質に入り込むように付着しています。

関節が可動域以上に急激な外力を受けるもの
持続的な引っ張る外力(牽引力)
繰り返し微小な外力をうけるもの。

持続的な牽引力や繰り返しの牽引力によるものは自家筋力によって起きるものが多く、一度の強い外力で起きるものは外部からの直達外力によることが多いです。

自家筋力(自分の筋肉の収縮力)によるものでは、かかとや骨盤、膝など比較的強い力が加わる場所で発生しやすいといえるでしょう。

坐骨結節の剥離骨折

外部から外力を受けて剥離骨折する場合は、外力の受けやすい足や手、肘や膝に多く発生します。

また、幼児から10代の骨は柔らかいので、亜急性(持続的・繰り返しのケガ)のものが多いです。
また、多くが骨端部(骨の端部分)で起きるので、治癒後も盛り上がってしまう変形治癒を起こすこともあります。

筋肉と腱

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くっつきにくい!

足指の剥離骨折 種類

剥離骨折は、靭帯や腱の牽引力によって骨組織が引きはがされるものです。
靭帯や腱~筋は張力が働いて機能するものですよね。

付着部が剥がれてしまうと骨折断端部どうしが離開してしまうことが多いのです。

骨折の治癒過程で大切なのは、骨折端どうしをくっつけること。
剥離骨折では、骨片(はがれた骨)が転位(注)している症例が多くあります。

(注)転位
骨折や脱臼において、骨片(末端側の骨)が解剖学的位置から離れていること。

また、亜急性のものでは、使われる頻度が高い傾向にあるので、整復(骨をもとの位置に戻す)しても再転位してしまうこともあるのです。

完全骨折で転位がある場合(完全に骨から剥離してしまっている)では、その靭帯または腱が機能せずに障害を残してしまったり、場合によっては変形を起こしてしまう可能性もあります。

骨折に気づかれにくい!

 

腱による足指の剥離骨折

剥離骨折(裂離骨折)では、骨折線が小さいので、高エネルギーによる骨折よりは疼痛も少ないこともあります。
(少ないとはいっても、実際になるとふつうに痛いです!)

亜急性の場合では、大きな外力が働いたわけではないので、そもそもいつ骨折したのかが不明のこともあります。

骨折の診断には、画像診断が用いられますが、角度や骨折線の状態によっては分かりづらいこともあります。
受傷当時に「捻挫」と判断された人が、後日レントゲン撮影で仮骨(新しい骨)ができているのが見つかり「剥離骨折」と診断されることもあります。

後遺症にも要注意。

膝関節の後十字靭帯による脛骨の剥離骨折↑膝関節の後十字靭帯の牽引による脛骨の剥離骨折

剥離骨折では、

・くっつきにくい
・きづかれにくい

という特徴から後遺症にも注意が必要です。

関節拘縮
変形治癒、関節の変形
偽関節

関節拘縮

もともと剥離骨折の原因となるのが靭帯や腱の無理な牽引。
組織が損傷して治癒する過程で「癒着」が発生します。
周囲の軟部組織を癒着が巻き込むことで関節の可動域が制限される「関節拘縮」が起きやすくなります。

変形治癒、関節の変形

まず、変形治癒は、剥離した骨片が元通りにくっつかなかったもの。
そして、「関節の変形」は、靭帯や腱が剥離したまま機能しなかった場合に起きます。

とくに重大な後遺症を残しやすいのが、「関節内骨折」
剥離する骨片が大きくなって、関節面にまで骨折線が達すると関節軟骨の滑らかさがなくなり機能障害を引き起こしてしまうことがあります!

関節可動域の減少や変形性関節症、10代の人だと成長障害が発生してしまうこともあるので、医師と相談しながらの治療しなければなりません。

偽関節(ぎかんせつ)

「偽関節」(ぎかんせつ)とは、骨折した部位どうしが密着せず、そのまま治癒過程を終えてしまうものです。

骨折の治癒には、骨折断端どうしが接していなければなりません。
剥離骨折では、転位(ズレた)骨片が牽引力によって骨折面から離れてしまうことが多々あります。

また、捻挫だと軽視して固定せず放置されてしまうことも原因のひとつです。

剥離骨折で起きる偽関節は、その腱や靭帯の機能をいちじるしく低下させてしまうので、しっかりと治療する必要があります。

治療の方法。早く治す!

受傷直後は必ず「RICE処置」を行います。(⇒応急処置「RICE処置」の方法
とくに安静(RESTレスト)は重要です。

固定して安静にできないと剥離した骨片がさらに転位してしまうばかりでなく、関節機能が低下しているために「脱臼」やさらなる骨折を引き起こしてしまうのです。

その後の治療は、負傷部位や日常生活動作を考慮して、固定方法や手術(内固定)も検討します。

骨折の治療には「超音波振動」骨の再生を促すことで有効といわれています。
皮膚から浅い部分の剥離骨折は超音波機器も当てやすいので治癒を早める効果を期待できます。

また、骨折とは関係ない部位を動かすことで廃用性症候群を防止し、治癒を早めることができます。

睡眠や栄養も重要です。
充分な睡眠を摂ることで脳下垂体から分泌される「成長ホルモン」が骨の再生を促します。
(成長ホルモンは運動後にも分泌されます)

このときに材料になるのがカルシウム。
カルシウムの吸収にはマグネシウムが関係します。
栄養をバランスよく摂取して再生の材料が不足しないようにしましょう。

カルシウムを摂り入れよう!

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剥離骨折まとめ

「裂離骨折」(れつりこっせつ)ともいう。
腱や靭帯の牽引によって骨組織が引きはがされるようにして発生。
くっつきにくい・気づかれにくいので要注意
〇後遺症(関節拘縮・変形治癒・偽関節)も起きやすい
骨片の転移は機能障害を残すことも。
〇睡眠と栄養摂取、適切な固定が早く治すコツ。

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