ケガ後や日常でやっておきたい簡単バランストレーニング(バランス訓練)

こんにちは。ほんだ整骨院の山内健輔です。

バランス感覚やバランス能力は日常生活やスポーツでよく使われています。
ただし!
ケガをするとバランス保持の能力が極端に低下してしまうのです。

バランス能力が低下したままスポーツや日常生活を再開するのはとても危険です。
ケガの再発や再負傷、または別の場所のケガや事故につながる恐れがあるからです。

また、バランス能力を日ごろからアップさせておくことは、疲労や運動パフォーマンスのアップにもつながります。
バランス能力は短期間・短時間でも一定までは成果も出やすいです。

メリットも多いのでバランストレーニングはやっておきたいものです。
今回の記事では日常的にやりやすい簡単なバランストレーニングを紹介していきましょう。

ケガ後や日常でやっておきたい簡単バランストレーニング(バランス訓練)

※ご注意!
このページでは「バランストレーニング」について紹介しています。記事執筆時点での情報です。
正確な情報を記すよう努めていますが、医学的視点や見解の違い、科学の進歩により情報が変化している可能性もあります。
ケガや痛みがある場合は、記事だけで判断せず、病院などで正しい診断を受けることをおすすめします。

バランストレーニングって?

バランス能力とは、静止または動的動作における姿勢維持の能力のことで、この能力は感覚系・中枢司令系・筋力系などの要素によって決まります。高齢者においてはこのうちの筋力の要素がより重要であることが指摘されています。バランスボールなどのトレーニング器具を使ったトレーニングが実施されていますが、それらによる効果は研究により確認されています。

※引用━━バランス運動の効果と実際(厚生労働省e-ヘルスネット)

狭い基底面や不安定な床や地面(支持基盤)で同一姿勢を保ったり、身体を動かす体操などを行ったりします。

感覚器・末梢神経・中枢神経・筋肉の伝達をスムーズにすること、姿勢を維持する筋肉を強化すること、筋肉どうしの協調性をあげることができます。

静的バランス、動的バランス能力ともに不安定度が上がれば、強度・難易度も上がります。
たくさんのバランストレーニングが考案されていますが、ある程度まで熟練せずに実践すると危険なものもあります。

今回は簡単にできるもので比較的安全性の高いものを選んでありますので、物足りなくなってきたらどんどんレベルアップしていってOKです。

バランス能力とは?

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脳と神経、筋肉の反応速度をあげたり、体幹部の筋力強化、深部感覚をトレーニングすることでばっらんす能力が上がる

バランストレーニングをするメリット

バランストレーニングで鍛えられるのは筋ー神経の伝達と感覚器の精度。バランスを維持する筋肉。

バランス能力は立位や歩行時だけではなく、座っている姿勢や立ち上がる動作をするときにも必要です。
バランストレーニングをしておくことで様々なメリットを得ることができます。

バランストレーニングのメリット
①運動が苦手でも難しくない!
②ケガの予防やリハビリ。
③転倒しにくくなる。
④姿勢が維持しやすくなる。
⑤運動パフォーマンスが向上する。
⑥短期間でも成果が分かりやすい。

①運動が苦手でも難しくない!

バランストレーニングの基本は「不安定な状態で姿勢を保つ」こと。
上級になってくると、より不安定な状態での運動を要求されますが、最初のうちは片足で立つだけでもOK。
簡単なトレーニングで大きな効果が望めます。

②ケガの予防やリハビリ。

肉離れやねんざの多くはバランスを崩すことで生じます。
バランス能力が高まることで筋肉や靱帯損傷の予防効果が期待できます。

さらにケガ後のリハビリとしてもバランストレーニングは有効です。
靱帯や筋肉、腱には伸び率を検知する感覚受容器(センサー)が備わっていて、ケガと同時にそれらが損傷されることがあります。

バランストレーニングは、深部感覚をとり戻すことで筋肉や靱帯の伸縮ぐあいから身体の姿勢や状態を脳に伝えやすくする効果も期待できます。

③転倒しにくくなる。

バランス機能が上がることでそもそもバランスを崩しにくくなります。
さらに「ステッピング」筋肉の反応速度が上がることで1歩がでやすくなり転倒を予防できます。

④姿勢が維持しやすくなる。

姿勢の変化を脳が感じやすくなるのと体幹部分の筋力強化、さらには不安定な状態から回復させようとする能力が上がるので、静的バランス、動的バランスともに姿勢維持しやすくなります。

⑤運動パフォーマンスが向上する。

姿勢やフォームのばらつきが少なくなったり、ブレがなくなるので身体が安定したり、力を伝えやすくなるので運動能力がアップします。

⑥短期間・短時間でも成果が分かりやすい。

筋力アップには時間がかかるものの、早い段階で脳と筋肉の反応が早くなるので、短期間のうちにトレーニング効果が実感しやすいです。

また、なかなか時間がとれない人でもトレーニングの時間が短時間で効果が分かりやすいので、続けやすいのもメリットのひとつですね。

トレーニングで鍛えられるのは?

バランスを崩すと感覚器が検知。脊髄へと情報を送る。脳は運動神経を介して骨格筋に修正を命じる。緊急性の高いときは脳の指令を待たずに運動神経が骨格筋を動かす脊髄反射が行われることもある
○姿勢維持に関連する筋肉
○感覚神経と中枢神経の伝達
○中枢神経から筋肉への反応速度
○筋肉の協調性
○感覚受容器の感度

バランス感覚は多くの器官が関わっています。
バランストレーニングで能力を向上させることができるのは、おもに神経の伝達と感覚の正確性です。

短時間・短期間でも効果が分かりやすいのは、感覚受容器(視覚・前庭器官・体性感覚など)の情報が脳に伝わりやすくなること、脳の指令が筋肉に届きやすくなることが原因と考えられます。

ほかにも、今まであまり使えていなかった筋肉に指令が届きやすくなったり、体幹部や姿勢を支える筋力強化が期待できます。

バランストレーニングには柔軟性も必要です。
身体のストレッチで筋肉、関節を伸びやすくすることも一緒に行いたいですね。

バランス能力において感覚受容器の役割は重要!
「メカノレセプター」は足裏に豊富。バランスをとるためのセンサー

注意事項と準備

やめたほうがいいとき!
・三半規管の病気
・血圧が不安定なとき(著しい高低)
・ケガの急性期
・めまい、貧血、吐き気など体調不良
準備
○安全の確保(周囲に物が散らばっていないなど)
○各部のストレッチと下肢回りの関節を動かす
器具を使ってやる場合に準備
バランスボール
バランスディスク
バランスボード
バランスマット
ストレッチポール

用具に関しては、最初のうちはなくても充分。使い古した座布団やふとん、いらないバスタオルなどでも代用OKです、
熟練度が上がるにつれて、そろえていくのもいいかもしれません。

POINT!アーチサポートを装着してバランストレーニングを行うことで足部形状の維持にも貢献する
足部の縦アーチがつぶれてしまう扁平足や回内足の人はアーチサポートを装着して行うとメリットがあります。
バランストレーニングでは足底の筋肉も使用するため、骨が正しい位置で筋肉を使うことにより縦アーチの増強も期待できるからです。

四つん這いでバランス訓練

バランスは支持基底面が広いほど、重心の高さが低いほど安定します。

四つん這いでやるバランストレーニング。うまくできるようになったら、手や足を持ち上げて不安定な状態をつくる→耐えるを繰り返す

今回紹介するのはプランクと呼ばれるトレーニング。
始めのうちは手や足をひとつずつ順番に浮かしてバランスをとります。
徐々に慣れてきたら対角線上の手足を浮かせていきましょう。
難しかったら肘をついてもOK。

片膝立ちバランストレーニング。片膝立ちで片方を持ち上げるだけ。足部や下腿に荷重しないでトレーニングできる

膝立ちで片足ずつ浮かせるのもトレーニングのひとつ。
膝とつま先で支えるので安定はしやすいですが、しばらく同一姿勢を維持してみましょう。

座ってやるトレーニング

しっかりした椅子を準備しましょう。
イスに座ってやるので、転倒のリスクは低下します。

イスに座って身体を前方に傾けて、体重を移動する

まずは前屈。
前かがみになって重心を前方へ。
立ち上がるときの安定感につながります。

イスに座って腕を側方へ伸ばす。重心が横にずれた状態で姿勢をキープ。

次は側方へ腕を伸ばして重心を横に移動します。
できるだけ遠くにタッチするイメージで、ちょっとキツいと感じるぐらいまで。

イスに座って片側の坐骨を浮かせるトレーニング。

イスに座って片方の坐骨を浮かせます。重心が側方に移動するのと支持基底面が小さくなるのでちょっと難しくなります。

頭の位置や向きを変えるだけでも前庭器官(頭の傾きや角度を検知する)が受け取る刺激が変わるので、いろんな方向に動かしてみましょう。

立位でやるバランストレーニング

支持基底面(地面と接する部分を囲むような面)を狭くすることで不安定な状態を作り出します。
またその状態で動くことで動的安定性をトレーニングします。

かかと歩き・つま先歩き・横歩き・クロスステップ

つま先を上げて立つ、歩く
つま先を持ち上げて、かかとで立ちます。慣れてきたら、前後左右に歩いてみましょう。

かかとを上げて立つ、歩く
今度はかかとを上げて、つま先立ちで立ちます。慣れてきたら前後左右に歩いてみましょう。

横歩き
側方に足を出してカニ歩き。片足でバランスをとるトレーニング。

クロスステップ
足をクロスさせながら横に移動するトレーニング。クロスさせる足を前後交互にやってみてもいいでしょう。

立位で片足立ちになり、膝を抱える。持ち上げた足を側方や後方に動かすと不安定度アップ。エアプレーンの姿勢でバランストレーニング。 背中と脚が一直線になるように。両腕は広げてバランスをとる。

片足立ち、エアプレーン
まずは片足立ちでバランスをとります。余裕で立てる人は膝を抱えて。
慣れてきたら身体を前に倒して「エアプレーン」の姿勢。

器具を使ってやる訓練

いろいろな器具が市販されています。効率よくバランス訓練ができます。
熟練度やスペースに応じて器具を使うのもいいですね。
不安定な状態を作り出す器具なので、安全面には気を付けながら行いましょう。

上級者はこれらの器具を使いながら、腕立て伏せやスクワットなどの自重トレーニングを組み合わせることもあります。

ストレッチポールの上に寝て、手や足をひとつずつ浮かせてみる

・ストレッチポール
ポールの上に寝てゴロゴロ。
さらに手や足を浮かせてみたり、対角線上の四肢でバランスをとってみたり。

バランスマットの上で立つ。慣れてきたら片足で立つ。

・バランスクッション(バランスマット)
分厚いスポンジの上でバランスをとる訓練です。
片足立ちになったり、エアプレーンの状態になったり。
片足立ちで持ち上げた足を前後左右に動かしてみると難易度がアップします。

バランスボールの上にのって静止する

・バランスボール
いろいろな使い方が考案されているバランスボール。
座って片足ずつ浮かせるところから始めましょう。

バランスディスクとバランスボード。不安定な足場でバランスを保つ。

・バランスディスク・バランスボード
バランスマットと同じように使いますが、より難易度は高いです。

器具を購入しなくても工夫しだいで、使い古した座布団や布団を折りたたんだり、丸めたりして代用することもできます。
バスタオルを丸めて上に立ったり、背中でのったりすることができる。↑使わなくなったバスタオルを丸めてひもやバンドで固定。この上に片足立ちするのもトレーニングになります。

動的バランス能力を鍛える。

つま先とかかとをつけながら狭い線上を歩くタンデム歩行。

動きのなかでバランス能力を向上させます。
一本橋歩行は細い線上を歩くトレーニング。
さらにタンデム歩行といってつま先とかかとをつけながら継ぎ足歩行もしてみましょう。

公園によくある平均台のような遊具。↑よく公園にあるアスレチック遊具
この上を平均台のように使って遊びながらバランストレーニングを行います。

木などに結び付けて使うスラックラインでもバランストレーニングができる。スラックライン
簡単に綱渡り。難易度は高いが、遊びながら楽しくできます。

梨状筋はバランス感覚にも重要な筋肉!

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まとめ

○運動が苦手でも成果がでやすい
○ケガのあとのトレーニングにも使われる
○ケガの予防にもなる
○身体が安定することでパフォーマンスアップにもなる
○筋肉のほかに筋神経の伝達や感覚受容器も訓練できる
○体調が悪いときは中止する
○安全面の配慮が必要
○高齢者などの転倒防止にも役立てられる

痛みの処置はどうしたらいい?

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