こんにちは。ほんだ整骨院の山内です。
私たちは産まれたときは身長が50cmほど。
それからほとんどの人が1m以上も伸びます。
成長するにつれて骨は太く、厚くなります。
また、あまり知られてはいませんが、子ども時代と成人の骨は形が違うものもあるんです。
今回の記事では、骨が大きくなるしくみについて簡単に紹介していきましょう。
『骨の成長。子どもの骨が大きくなる仕組み』
このページでは「骨の成長」について紹介しています。記事執筆時点での情報です。
正確な情報を記すよう努めていますが、医学的視点や見解の違い、科学の進歩により情報が変化している可能性もあります。
ケガをした場合は、記事だけで判断せず、病院などで正しい診断を受けることをおすすめします。
骨が大きくなる要因
栄養(食事)
生活(睡眠や運動)
骨の大きさは、成人になるまでの成長で決まります。
骨が成人になるとそれ以上は大きくならないのです。(骨密度は生活や栄養、病気、年齢によって変化する!)
時期によって成長速度が変化
乳児期や思春期には身長が年間10cm以上伸びることもあります。
骨は毎年決まった成長するのではなく、その成長段階によって伸び方が変化します。
骨の成長は2~3年ほどの個人差があります。
遺伝
骨が大きくなる成長のしやすさは遺伝が強く影響しています。
ただし、遺伝のみによって骨の大きさが決定されるわけではなく、その他の要因である食事や生活も大きな要素になっています。
栄養(食事)
骨の成長にとって最も大切な要因が「栄養」。
骨の主成分であるカルシウムやリンは骨を形成するうえで必要です。
またカルシウムを取り込むために必要なビタミンDやマグネシウムも必要です。
タンパク質も骨の細胞をつくるうえで必要です。
生活(睡眠や運動)
骨を成長させるためには物理的な刺激も必要です。
運動刺激や重力は骨の形成を促進させる物質であるホルモン分泌を促進させます。
運動を行うと脳にある脳下垂体から成長ホルモンが多く分泌されます。
成長ホルモンは睡眠中にも活発に分泌されるので、多く睡眠をとることで骨の形成を促します。
長軸に伸びる「軟骨内骨化」
子どもの長管骨(細長い骨)は成人の骨と違って、両端に軟骨組織があります。
骨端軟骨(こったんなんこつ)や成長軟骨(せいちょうなんこつ)と呼ばれています。
骨端軟骨は水分の多い「硝子軟骨」(しょうしなんこつ)という材質でできていて、骨組織よりも柔らかいです。
レントゲン写真で見ると骨幹部(こっかんぶ)と骨端部(こったんぶ)の間に写らない線が見えます。
これを骨端線(こったんせん)や成長軟骨板(せいちょうなんこつばん)といいます。
※骨端板や成長板といわれることもあります。
骨端軟骨のなかには、
成長板幹細胞
(せいちょうばんかんさいぼう)
があり、軟骨細胞を増殖させます。
(成長板幹細胞は成長ホルモンや性ホルモンの影響を受けて増殖する)
これらの軟骨組織を「骨芽細胞」(こつがさいぼう)の働きでカルシウムやリンなどの無機物を沈着(ちんちゃく)させることで、
骨の長軸方向が伸びる!
しくみになっています。
こうして長管骨の縦軸への伸長が「軟骨内骨化」(軟骨性骨化)です。
骨端軟骨のある成長板は、ある一定の年齢(2~3年の幅がある)になるとすべてが骨化して、骨が一体化します。
骨端線の閉鎖といい、成人の骨になるので、それ以上は伸びなくなります。
骨端軟骨内にある硬化した部分。
骨端軟骨に血管が侵入して無機質(カルシウムなど)が沈着して骨化。これが広がって全体が骨化することで骨端線が閉鎖される。
⇒骨端症ってどうして起きる?子どもが痛みを訴えたら軽視しないで!
太く厚くなる「膜内骨化」
短骨や扁平骨、長管骨の太さが大きくなるときには、軟骨の形成を伴いません。
骨膜にある
骨膜幹細胞
(こつまくかんさいぼう)
が骨芽細胞(骨細胞へ変化)へと変化して骨を形成していきます。
これによって骨膜の内側の骨組織が増殖することで骨が分厚くなったり、大きくなることができます。
この骨膜による骨の成長は、
膜内骨化
(膜性骨化)
といいます。
骨膜幹細胞は、骨端軟骨にある成長幹細胞に働きかけて軟骨内骨化をコントロールして、骨の形を保つようになっています。
骨芽細胞による骨の形成
軟骨内骨化も膜内骨化においても、骨を形成するのは、骨芽細胞(こつがさいぼう)。
骨はタンパク質であるコラーゲンにカルシウムなどの無機質が沈着することで形成されます。
これを「石灰化」(せっかいか)や石灰沈着(せっかいちんちゃく)といいます。
↓
類骨(るいこつ)を形成
↓
類骨に石灰沈着が起きることで骨化
↓
骨芽細胞は骨細胞へ変化
血管が内部へ侵入して栄養される
※類骨(るいこつ)
カルシウムなどの無機物が定着していない骨の骨組み。
骨を成長させるホルモン
骨の成長にはいろいろなホルモンが関係します。
とくに重要なのが「成長ホルモン」。
〇脳下垂体から分泌される
〇骨・筋肉・器官の形成を促す
〇細胞の新陳代謝やエネルギー代謝を調節
〇免疫機能を調節
〇深い睡眠(就寝後2~3時間後)時に多く分泌される
〇強度の高い運動後にも多く分泌される
身体を調子よい状態に保つために身体の機能を調節する生体恒常性機能のひとつ。
内臓などの内分泌器官から血液を介して目的の器官へ届けられる。
成長ホルモンは骨に直接働きかけるだけではなく、肝臓に作用してソマトメジンC(IGF-1)という成長因子を放出させます。
ソマトメジンCは骨だけではなく全身の細胞の増殖を助けます。
他にも骨の成長や骨代謝(骨組織の新陳代謝)には数多くのホルモンが関わっています。
成長ホルモン
性腺ホルモン
インスリン
カルシトニン など
副甲状腺ホルモン
活性化ビタミンD
カルシトニン
インスリン
グルココルチコイド など
骨の成長まとめ
- 長管骨の縦成長は「軟骨内骨化」(軟骨性骨化)
- 短骨や扁平骨、不規則骨、太さや厚みの成長は「膜内骨化」(膜性骨化)
- 骨膜にある骨膜幹細胞が軟骨内骨化と膜内骨化をコントロール
- 骨の成長には多くのホルモンが関わる
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