子どもが足を引きずっている。ペルテス病は要注意!

こんにちは。ほんだ整骨院、山内です。

 

 

さて、今日は骨端症シリーズ

『ペルテス病』

概要

股関節の病気です。
好発年齢は4歳から8歳ですが、2歳くらいから12歳くらいまでみられます。割合は男の子の方が多いです。

原因は不明で、大腿骨頭(大腿骨股関節側の球状部分)が血流障害で骨壊死を起こします。
骨壊死が起こった場所は荷重がかかるとつぶれて変形してきます。

大腿骨頭には先端までの血管が少なく血流が届きにくいため無腐性骨壊死を起こしやすいです。
よく高齢者が転倒して大腿骨頸部骨折を起こすと大腿骨頭が壊死を起こすのもこの理由からです。

子どもの骨の特徴は?⇒子供の骨の特徴。大人とどんなところが違う?

ペルテス病は骨端症のひとつ⇒骨端症ってどうして起きる?子どもが痛みを訴えたら軽視しないで!

 

症状は。

徐々に痛みが増してくるようです。壊死が進んで骨頭がつぶれてくると痛みが強くなります。
痛みが生じるのが股関節だけではなく、大腿部や膝、下腿の痛みを訴えることもあります。

痛みだけでなく、跛行といって足を引きずる動作や股関節の運動障害などの症状も見逃せません。

もうひとつ問題があります。
罹患するのが小児であるため、症状をうまく伝えられないことです。
初期には荷重時以外は痛みも出ていないこともあり、親御さんや学校の先生たちも症状を把握できなかったり、様子見で済ませてしまうことになりかねません。

治療は。

状態に応じて完全免荷(体重をかけない)を行います。基本的に入院して牽引(患肢を引っ張る)や装具を使って変形を抑えます。
大腿骨や大腿骨頭は年齢とともに大きくなっていくので成長障害や変形が懸念されます。

患者さんの年齢が小さいほど壊死や変形も治りやすく、予後は良好になりやすいです。
が、年齢が上がるにつれて大腿骨頭がつぶれることによる脚の長さが短縮や歩行障害などの後遺症を残しやすくなります。

痛みがとれたあとも大腿骨頭の変形を防ぐために、骨が硬化する年齢まで運動禁止を指示されることもあります。

最後に。

治療は大変ですが、見つけるのが早ければ早いほど、治療も早く始められ、骨頭壊死→変形の進行を止めやすい病気です。
日頃からお子さんの様子を見て、少しでも違和感があればお子さんもみてくれる整形外科受診しましょう。

小児の足部外側の痛み⇒イズリン病(イセリン病)は足の外側の骨端症。類似疾患にも注意!

子どもがかかとを持ち上げて歩いている?!⇒シーバー病(セーバー病)。子どもがかかとを痛がる踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)

内くるぶしの前に痛みが出る骨端症

関連記事

こんにちは。ほんだ整骨院の山内です。 子どもの足の骨は、成人の骨と異なります。 いちばんの違いは、 軟骨部分が大きいこと! 骨端軟骨(こったんなんこつ)とか成長軟骨(せいちょうなんこつ)と呼ばれています。 この軟骨部分が硬化し[…]