足部・足関節(足首)運動名称の表記の変更について。

こんにちは。荻窪のほんだ整骨院、山内健輔です。

私たちが足首の動きでいままで使ってきていた、

内返し・外返しと回内・回外

これらの名称が2022年4月に改訂されて入れ替わりました。
スポーツをする人やスポーツの指導者の方々は、動きの呼び方が変わったので少しとまどうこともあるかもしれません。

今回の変更で大きな変更になるのは3つ。

簡単に説明すると

今まで回内・回外といっていた動き

外返し・内返しに変更
今まで外返し・内返しと言っていた動き

回外・回内に変更

他のふたつは、足関節の「屈曲・伸展」の廃止内転外転運動の基本線の変更です。

今回の記事では「足部・足関節の動きの名称変更」について紹介します。

2022 年の改訂によって、足首の動きに対する名称が変更された

足部・足関節(足首)運動名称の表記の変更について。

※ご注意!
このページでは「足首の動きの名称改訂」について紹介しています。記事執筆時点での情報です。
正確な情報を記すよう努めていますが、医学的視点や見解の違い、科学の進歩により情報が変化している可能性もあります。
ケガや痛みがある場合は、記事だけで判断せず、病院などで正しい診断を受けることをおすすめします。

2022年4月に足首の動きの名称が変わった!

日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会、日本足の外科学会 「関節可動域表示ならびに測定法改訂について(2022 年 4 月改訂)

『特に「内がえし inversion/外がえし eversion」と「回外 supination/回内pronation」について国際的な定義と異なっていたため、文献の翻訳や引用をする際にしばしば用語の混乱を生じる原因となっていた。具体的には、1995 年改訂の関節可動域表示ならびに測定法では、「内がえし inversion/外がえしeversion」を 3 平面での複合運動、「回外 supination/回内 pronation」を前額面での運動と定義していたが、英語圏及び英語文献では、「内がえinversion
/外がえし eversion」を前額面での運動、「回外 supination/回内 pronation」を横断面と矢状面および前額面の 3 平面での複合運動とするものがほとんどである。

「一般社団法人 日本足の外科学会 様 「足関節・足部・趾の運動に関する用語【告知】関節可動域表示ならびに測定法改訂について(2022年4月改訂)」より 引用」

簡単に要約すると、

今まで日本で使っていた動きの名称と国際的に使用されている用語の定義が違うので、合わせていきましょう。

ってこと。

2021年9月に公表されて、2022年4月から使いましょうということでした。
今回変更があったのはおもに3点。

①「内返し外返し」と「回内回外」の名称入れ替え
②足関節の「伸展・屈曲」は使用しない
③足関節・足趾の内転外転の基本軸の変更
足首の動きと参考可動域
関連記事

こんにちは。ほんだ整骨院の山内健輔です。 足首の動きっていろんな方向に動くので、ややこしくて難しそうと感じたことありませんか? でも! 動きを分解すれば意外と簡単。 覚えておけばケガをしたときだけじゃなくって、スポーツでの動[…]

「内返し外返し」と「回内回外」が入れ替わる

足関節の内返しは足部内側をもち上げるような動きで外返しは外側をもち上げるような動き。2022年までは回内回外といわれていた足首の内返しは母趾側をもち上げる動き。外返しは小趾側をもち上げる動き。

改訂前では、「回外」といわれていた動きが「内返し」に。
回内」といわれていた動きが「外返し」に変更。

回外は底屈・内転・内返し。回内は背屈・外転・外返しの複合運動

さらに底屈+内転+母趾側をもち上げる動きは、「内返し」から回外に。
背屈+外転+小趾側をもち上げる動きは、「外返し」から回内に変更されています。

動きの名称が入れ替わっているんですね。

ちなみに足趾(足指)の動きに関しては、従来通り爪が外側を向く動きが「回外」、爪が内側を向く動きが「回内」です。

足関節に「伸展」と「屈曲」は使わない。

2022年より足関節においては「屈曲」「伸展」は使わず、「底屈」「背屈」を使うようになった。

以前は、つま先が足底方向に移動する動きが「屈曲」、反対を「伸展」として使用されていました。
ただし、他の関節の多くは体の前方への動きを「屈曲」とすることから誤解も生じやすい状態でした。

なので、今回の改訂では、「屈曲」と「伸展」は使用されないように変更されています。

底屈…つま先を下げる動き
背屈…つま先を上げる動き
足指(足趾)については、今まで通り!足底方向に曲げるのを「屈曲」、足背方向に伸ばすのを「伸展」

足関節・足指の内転外転における基本軸と移動軸の変更

 

足部や足趾の内転・外転は2022年4月の改訂により第2中足骨長軸に変更された

もうひとつの変更点は、足関節や足部の「内転外転」に関すること。

改定前「第1中足骨と第2中足骨の間の中央線」

改定後「第2中足骨長軸

実際には、わずかな距離ですが、基本となる軸が変更されています。

足部の骨の名前と特徴

関連記事

こんにちは。山内です。   普段はなかなか気づきにくいけれど、実は構造的にうまくできている人体の部位。 それは、 足部(そくぶ) 私たちがいう足部というのは、くるぶしから下の部分。 かかとからつま先の部分のこと[…]

当ブログでは徐々に修正していく予定

当ブログでも、これらの変更点を取り入れて記事作成に取り組みたいと思います。

……が、今まで書いた記事どうしよう・・・
実はほとんどの記事が改定前の表記になってしまっているんです。

・・・徐々に修正していきます。
本当に少しずつになると思うので、改訂前の記事と改定後の記事で運動の名称が混同しています。(とくに画像内の説明を修正するのは非常に手間がかかるんです…。)
ご迷惑をおかけしますがよろしくお願い申し上げます。

他サイトの2022年以前の記事や文献も読むときは注意しましょう。

当ブログ以外のWEB記事を読むときにも、回内・回外と内返し・外返しの記述がまだ修正できていないことのほうが多いです。

もちろん、本や文献、雑誌の記事でも2022年4月以前のものについては改定前の名称で書かれています。
そのまま読んでも大きく問題は生じないことのほうが多いですが、改訂があったことを覚えておきましょう。

足関節(足首)の動きの名称についてはこちらの記事もご一緒にご覧ください。

関連記事

こんにちは。ほんだ整骨院の山内健輔です。 足首の動きっていろんな方向に動くので、ややこしくて難しそうと感じたことありませんか? でも! 動きを分解すれば意外と簡単。 覚えておけばケガをしたときだけじゃなくって、スポーツでの動[…]