こんにちは。ほんだ整骨院山内です。
気温も寒くなってきました。いよいよ冬の始まりを感じますね。
12月から1月にかけては食生活も不規則になりがちで、体重も増加する人が多いです。
今のうちに少しずつでも体重も管理しておきたいですね。
さぁさぁ、今日もいきましょう。
今回は
『肩関節の石灰沈着について』
です。
肩関節石灰沈着(石灰性腱板炎)とは。
肩関節にあるおもに腱板という場所にカルシウム塩(
えん)の結晶ができて、急性炎症症状を起こすものです。
ときに靭帯にも生じて強い痛みを感じます。
腱板とは棘上筋・棘下筋・肩甲下筋・小円筋が上腕骨の上部に付着する部位のことで、転倒などによる外力のほか、自家筋力の影響で損傷、です。
炎症が起きるとその周りの血管から血しょう成分(血液の赤血球以外の成分)がたくさん出てきます。
カルシウムイオンはもともと血中にあるので、それがなんらかの原因で腱や関節包などに残留して、結晶化しているといわれています。
石灰沈着による痛み。
急性期の患者さんは夜間痛を主とした安静時にも強い疼痛を訴えます。基本的に肩や腕は痛みのために動かすことができないです。
石灰沈着があるだけで痛みが生じているわけではないようです。腱板に石灰が溜まっていても無症状の方もいます。
ということは、
「痛みは石灰化と関係ないんじゃないの?」
といった疑問も生じますよね。
でも、やっぱり関係はあるんです。
治療の中で穿刺といって、注射器で石灰を吸い出したり、手術でカルシウム結晶を取り除くと痛みはほぼ消えることが多いのです。
とはいっても、石灰沈着による肩関節の炎症は通常の凍結肩などより痛いといわれています。
じっとしていても耐え難いような疼痛なので、患者さんにとってはまずその痛みをとるのが先決です。
治療法は。
基本的には安静にすること、痛み止めで対応します。整形外科ではステロイド注射や消炎剤によって、炎症を抑えると痛みがひくことが多いです。
それでも痛みがひかない場合は、穿刺(せんし)したり、手術で取り除いたりもします。
以前、当院でも肩関節の痛みの患者様がいらっしゃいました。
痛みがかなり強く、石灰沈着の恐れがあったため整形外科を紹介して、受診するようにお勧めしました。
が!
その方は妊娠中だったため、紹介した整形外科でもレントゲンもMRIも撮れず、注射も強い痛み止めも消炎剤も服用することができません。
結局、
妊娠中でも服用できる痛み止めと安静にすることで、急性期を耐え切りました。
痛みが強く、眠るのもままならない、しかも仕事をお持ちだったので、本当にしんどかったと思います。
その忍耐力に感心しました。
石灰性腱板炎の痛みはかなり強く、患者さんにかかる負担は強いものです。
まずは、その苦痛を除くことが第一ですので、当院では整形外科の先生と連携をとることで診断と治療をお願いしています。
痛みが緩和された後は、可動域の制限を回復させたり、肩関節の動きを良くしたりといった治療も必要です。
しっかり、肩関節周りのケアをしておくことで再発を防ぎましょう。
最後に。
ということで、
突然、痛みが襲う肩関節の石灰沈着。
強烈な痛みのために怖いですが、予後は良好です。
可動域制限を残す方もいますが、しっかりとリハビリを行うことで無くすことができます。
何もしていないのに急に肩関節が痛くなったら石灰性腱板炎の可能性もあります。きちんと専門機関に診断してもらいましょう。不安な方は当院で信頼のおける整形外科の先生をご紹介もできます。
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