足指の骨折。タンスに足をぶつけた!ヒールで指を踏まれた!

足指の骨折。タンスに足をぶつけた!ヒールで指を踏まれた!

こんにちは。ほんだ整骨院、山内です。

タンスや家具におもいっきり足をぶつけた!
電車でサンダルの指先を踏まれた!
裸足で家の階段を上ろうとしてつまづいた!

こんな経験だれでもありますよね?

だいたいの場合、急な事故なので、

メチャクチャ痛い!

痛みがその時だけで治まれば問題はありません。

でも、腫れて、赤紫の内出血がひどい、足がつけないような痛みがあるなら要注意

骨折の可能性もあります。
今日は、足の指の骨折はどんなものかっていうのを紹介していきます。

足指の骨折。ぶつけたり、踏まれたり、受傷頻度の多いケガ!

ご注意!このページでは足指の骨折の概要を紹介しています。記事執筆時点での情報です。
医学的視点や見解の違い、科学の進歩により情報が古くなっている可能性もあります。
ケガをした場合は、記事だけで判断せず、病院などで正しい診断を受けることをおすすめします。

足指の骨って?

足の指骨の構造

 

足指の骨は、手とほぼ同じ数があります。

「ほぼ」と書いたのは、末節骨(爪のある部分の骨)と中節骨(末節骨につながる骨)が癒合してしまっている場合があるからです。
(手指の場合は癒合していることはありません。)

足の甲は、第1~第5中足骨と足根骨でできています。
骨模型やレントゲン写真をみると、この中足骨も足指のようにみえますが、指ではありません。

この中で、異色なのは親指(母趾)。
親指だけ「中節骨」がありません。関節がひとつ少ないんですね。

関節は遠位から
DIP関節(遠位指節間関節)
PIP関節(近位指節間関節)
MTP関節(中足指節関節)

母趾(親指)のみ
IP関節(指節間関節)
MTP関節(中足指節関節)

からなります。

ちなみに、
MTP関節は「中足指節関節」とよばれています。
MP関節」も使いますが、手の「中手指節関節」のことも指すので、手のほうは「MCP関節」ともいいます。

DIP関節(遠位指節間関節)、PIP関節(近位指節間関節)は通常、伸展方向(背屈)にはほとんど可動せず、屈曲(底屈)の可動域が大きいです。

一方、MTP関節(中足指節関節)は、伸展(背屈)方向への可動域も大きく、歩行などに役立っています。

骨折の原因

足指骨折の原因

足の指は身体の末端にあるので、ケガが多い場所です。
加えて、歩行や立位で力が加わる場所でもあります。

足指の骨折となるのは、ご想像の通り

ぶつける!
物を落とす!
踏まれる!

直接外力が加わる「直達外力」によるものと腱や靭帯が無理やり引っ張られて剥離したり、長軸方向に力がかかる「介達外力」によるものがあります。

直達外力」による骨折の特徴
〇転位(折れた骨片がズレる)が少ないか小さいことが多い。
〇基節骨・中節骨・末節骨の順に多い。
〇強力な外力が加わる粉砕・多発骨折もある。

介達外力」による骨折の特徴
〇関節面にかかわる骨折線は後遺症を残すこともある。
〇裂離骨折は伸筋腱や側副靭帯の牽引力によるものが多い。
〇長軸に力が加わることで、中節骨や基節骨が損傷することもある。

どんな症状?

とにかく受傷時の痛みは強いです。
受傷時の痛みのあと、徐々に炎症が強くなり、腫れ・熱感・内出血が現れます。

疼痛 
腫脹 
内出血 
指先からの軸圧 

足指の骨折は、他の部位に比べて転位(ズレ)が少ないのが特徴ですね。

痛みの強さは受傷時の痛みがいちばん強いのが特徴。

※基節骨の骨折がもっとも多いのですが、末節骨の骨折で爪下血腫(爪と皮膚の間に出血)すると非常に痛いです。
腫れが広がる場所がないので内圧が高まり、損傷個所に常に圧力をかけられるためです。

打撲や捻挫との鑑別。

打撲も捻挫も骨損傷も腫れて・紫色になって・痛い!ってことには変わりありません。
なので、確実に鑑別するには、レントゲン検査。

他に、見分ける手がかりとして使うのが、

長軸圧で疼痛が強くなるか?

っていうテスト。

打撲や捻挫では、指先から長軸方向に力を加えても、軟部組織の損傷なので痛みは出にくいはず。

骨の損傷がある場合、指先から長軸に圧をかけると疼痛が増大します。

あとは、症状として骨折(骨損傷)の方が症状が重いのが特徴ですが、あくまで目安なので受傷したら整形外科を受診するのがベストです。

治療と治癒期間、予後は?

足指骨折の固定

応急処置の「RICE処置」。うまく実施して治癒期間を短縮させよう!⇒ケガをしたときの応急手当て「RICE(ライス)処置」ってな~に?

固定

足指の骨折は、転位がない!か、少ない場合が多いので固定は小さめで済むことが多いです。

隣の指を副子(添え木)代わりにして、一緒に巻く「バディテーピング」(上図)をすることが多いです。

一緒に巻いた指の間は、くっついたまま長期間そのままにすると蒸れて肌がかぶれるので、スポンジや綿花(綿)などを小さく切って挟んでおくといいです。

ただし、足を着くのも痛いときには、底部(足裏側)にシーネ(足の形に合わせた副子)で固定します。
最初の1週間ぐらいはシーネを入れて固定できた方が、患者さんも安心できることもあります。
(もちろん、クツは履けません。)

歩行するときは、足の指が反らないように、つま先を開いた歩き方にします。

骨癒合の期間

骨がくっつくまでの期間は、意外と長いです。
身体の末端にあるので、体幹部に比べて血流が弱いのです。

血流が弱いということは、腫れやむくみ、内出血がとれにくいのです。
加えて、細胞の代謝が低いので、骨が再生するのも時間がかかります。

再生は損傷した部分を吸収することから始まって、「仮骨」という新しい骨ができてきます。

その後、多めにできた仮骨が吸収されて、もとのような骨の形になって治癒していきます(リモデリング)。

だいたいここまで、人によって、損傷具合によっても変わりますが、5週間~7週間ぐらいかかります。

転位のない手の指の場合だと3週~4週で骨は再生するのでずいぶん長く感じますよね。

骨が再生したからといって「治癒」というわけではありません。
組織が損傷して、再生するときには、周囲の組織とくっ付いて治ってしまう「癒着」が発生することが多いのです。

これによって起こる関節運動の阻害が「拘縮」(こうしゅく)です。

DIP関節(いちばん指先の関節)だと、気になるようなことはないのですが、PIP関節(IP関節)やMTP関節(指の付け根)だと歩行時に痛みや跛行(通常じゃない歩行のしかた)を残すことになってしまいます。

リハビリをすることによって、可動域をある程度戻すことは可能ですので、必ずリハビリはしましょう。

予後

予後は基本的に良好です。

ただし、変形して治癒してしまったものや関節面に及ぶ骨折は、可動域に障害を残すことがあります。とくにMTP関節の背屈障害が残ってしまうと、歩行時に痛みが出たり、跛行を残すことがあります。

後遺症は?

転位の少ない骨折の場合だと後遺症を残すことは少ないです。

ただし、高エネルギー外傷(強い外力によって起こるケガ)の場合、

多発骨折
粉砕骨折
挫滅

を起こしていることもあり、注意が必要です。

さらに、糖尿病足の血管障害などの基礎疾患を持っている場合、骨がくっつきづらいこともあります。

後遺症としては、

偽関節(骨がくっつかない)
腱断裂(指が動かせない)
変形治癒(曲がってくっつく)

小さい骨の骨折だと決して軽視せずに、しっかりと専門医の画像診断を仰ぎながら治療していくべきです。

まとめ

〇直達外力で損傷することが多い。
〇親指・小指が多いが他の指も少なくはない。
〇基節骨の骨折が最も多い。末節骨は少ない。(爪があるので)
〇転位は少ないかほとんどないことが多い。
〇固定はテーピングですませることが多いが、荷重で痛い場合はシーネ(副木)をする。
〇粉砕骨折や多発骨折、複数骨折に注意する。
〇固定期間は5週~7週。糖尿病や血管障害だと治癒しにくい。
〇末端の骨なので腫れや内出血がひきにくい。

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