種子骨炎・二分種子骨障害の症状と原因、その痛み、割れてる・ヒビ?

こんにちは。荻窪北口にあるほんだ整骨院の山内健輔です。

足の裏、親指の付け根あたりがズキズキ痛む歩くたびに、踏み込むたびに響くその痛み。

もしかして骨が割れているのでは?
ヒビが入っているのでは?

そんな不安を抱えてこの記事に着いた方も多いのではないでしょうか。

この痛みは「種子骨炎(種子骨障害)」(しゅしこつえん)や「二分種子骨障害」(にぶんしゅしこつしょうがい)が原因であることが少なくありません。
名前を聞くと大げさに感じるかもしれませんが、原因や特徴が分かれば、日常生活の中で工夫できることも多くあります。

実は種子骨は、生まれつき2つに分かれている方が2〜3割ほどいると考えられています。
あなたの足の痛みも、こうした足の構造と関係しているかもしれません。

この記事では、種子骨炎・二分種子骨障害の症状と原因、似ている疾患との見分け方、セルフケアの方法までを分かりやすく解説していきます。
読み終える頃には、今抱えている不安や疑問がすっきり整理されているはず!

足の骨格を横から見た図解。母趾(親指)の付け根、短母趾屈筋腱の中にある種子骨に炎症が起き、種子骨炎(種子骨障害)が生じている様子を稲妻マークで示している

種子骨炎・二分種子骨障害の症状と原因、その痛み、割れてる・ヒビ?

種子骨炎(種子骨障害)・二分種子骨障害とは(要約)

項目 内容
種子骨炎とは 足の親指の付け根の裏側にある「種子骨」という小さな骨に炎症が起こり、痛みが生じる状態と考えられる
二分種子骨障害とは 種子骨が生まれつき2つに分かれている方(分裂種子骨・分離種子骨)に起こりやすいとされる障害で、分かれた部分に負担がかかり痛みが出る状態と考えられる
主な原因 スポーツや立ち仕事による繰り返しの負荷、足の形(扁平足・外反母趾など)、合わない靴 など
主な症状 足裏の親指の付け根の痛み・腫れ、押すと痛む、歩行時や踏み込み時の痛み など
受診の目安 痛みが数日以上続く場合や、歩行に支障が出る場合は、整形外科への相談が勧められる

※ご注意!
このページでは「種子骨炎」「種子骨障害」について紹介しています。記事執筆時点での情報です。
正確な情報を記すよう努めていますが、医学的視点や見解の違い、科学の進歩により情報が変化している可能性もあります。
ケガや痛みがある場合は、記事だけで判断せず、必ず病院などで正しい診断を受けることをおすすめします。

種子骨炎・二分種子骨障害とは?

足裏の骨格図解。中足骨頭部の足裏側にある種子骨の位置を示し、内側種子骨(脛側種子骨)と外側種子骨(腓側種子骨)に分かれることを解説。クッション作用(中足骨頭部への直接衝撃を防ぐ)、滑車作用(短母趾屈筋腱の摩擦を防ぐ)、二分種子骨(生まれつき片方または両方が分かれている状態、分離種子骨・分裂種子骨とも呼ばれる)を図示し、着地の衝撃をやわらげ体重を支える種子骨の役割を説明している

まずは種子骨の場所と種類について、説明していきます。

種子骨の場所と役割

種子骨(しゅしこつ)は、足の親指の付け根の関節(MTP関節)の足裏側(母趾球)にある小さな骨で、左右に2つ存在。

英語:sesamoid bone

  • 短母趾屈筋腱の中に位置し、歩行時に体重の一部を支えるクッションのような役割
  • MTP関節(親指つけ根)の背屈(反る)のとき、腱を滑車のようにスムーズに支える役割
  • 内側を脛側種子骨(けいそくしゅしこつ)、外側を腓側種子骨(ひそくしゅしこつと呼ぶ(単純に内側・外側とも)
  • 日本足の外科学会(JSSF)の資料によると、種子骨はMTP関節を曲げる力の効率を高めながら、着地の衝撃をやわらげ、体重の50%以上を支えているとされる

種子骨炎と種子骨障害は同じ?違う?

種子骨障害」は種子骨に起こるトラブル全般を指す広い言葉で、その中に「種子骨炎」や「二分種子骨障害」が含まれます。

  • 種子骨炎:種子骨そのもの、周囲の滑液包を含めた組織に炎症が起きている状態
  • 二分種子骨障害:生まれつき種子骨が2つに分かれている方(分裂種子骨)に起こる障害の一種

種子骨障害の種類

「種子骨障害」は種子骨自体の損傷、周囲の軟部組織の損傷、もともとの構造によるものがあります。
日本足の外科学会(JSSF)の資料でも、障害の主なものとして骨折・疲労骨折・炎症・二分種子骨・骨壊死などが挙げられています。

  • 骨折:母指球を強く衝いたり、繰り返しの衝撃で種子骨が割れる、またはヒビ(不全骨折)が入る。内出血や腫れが大きくなりやすい
  • 疲労骨折:微小な負荷の蓄積による骨損傷。発生の仕組みは骨折とほぼ同じだが、内出血や腫れは比較的少ない
  • 分離種子骨(二分種子骨):もともと種子骨が分かれている状態。骨折と異なり分かれ目はなだらかで、線維性組織でつながっているケースも多い
  • 偽関節:骨折した種子骨が癒合せず、分離したままになっている状態
  • 無腐性骨壊死:損傷の繰り返しで種子骨への血流が途絶え、壊死が起こる状態。痛みを我慢し続けたり、ヒールの高い靴を長期間履き続けたりすることも要因になり得る
  • 滑液包炎:種子骨周囲の滑液包(腱や筋膜にある袋状の組織)が炎症を起こす状態

なお、内側と外側の2つの種子骨のうち、内側(脛側種子骨)に痛みが出やすいです。
また、母指球まわりの似た損傷としてターフトゥ(MTP関節底側の靱帯・蹠側板の損傷)と呼ばれる障害もあります。
(詳しくは⇒「ターフトゥ」は中足趾節(MTP)関節底側(母趾球)の損傷。反らせると痛い!

疲労骨折って何?⇓

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こんな症状はありませんか?

足を横から見たイラスト。種子骨炎の症状として、圧痛・腫脹・背屈時痛を示し、患部が左右で比べると分厚く見えることを丸印で示している

種子骨炎での症状について説明していきましょう!

足裏の親指の付け根の痛み・腫れ

歩く・走る・踏み込む際に、母指球部(親指の付け根の膨らみ)に痛みが出るのが典型的な症状。

  • 圧痛(押すと痛み)
  • 腫れや熱感を伴うこともある(→あぐらのように左右合わせると患側が分厚くみえる)
  • 母趾(親指)を反らせると痛みが強まる

「割れてる」「ヒビが入っている」ように感じる痛み方

一点に鋭い痛みが集中する場合、骨折や分裂種子骨、疲労骨折の結合部の炎症が疑われます。
「割れている」「ヒビが入っている」という表現をされる方が多いです。
医師によるレントゲンでの診断が必要

症状が進行した場合

進行すると、安静時や足を地面につけただけでも痛みが出ることがあります。

  • 安静にしていても痛む
  • 痛みをかばうような歩き方になる

原因は?なりやすい人の特徴

つま先立ちで足の親指の付け根(母趾球)に体重がかかり痛みが生じる様子を示したイラスト。靴・硬い地面・母趾の反りやすさなどが種子骨への負担に影響する因子として矢印で示されている

原因となりやすいスポーツや動き、リスク要因についても解説します。

種子骨炎が起こるしくみ

種子骨炎(種子骨障害)は母趾の中足骨頭部の底面にある種子骨と地面(靴底)が繰り返しぶつかることで生じる

痛みが出るまでの流れ!

  1. 浮指・外反母趾・踏み返しの位置など、足の形や動作のクセによって種子骨に荷重が集中
  2. スポーツや立ち仕事などで、その負荷が繰り返しかかる
  3. 種子骨や周囲の腱・組織に微小なダメージが蓄積
  4. 組織に炎症が起こり、痛みや腫れとして症状が発現(=種子骨炎)
  5. 負荷が続くと、疲労骨折や、分裂した部分への負担増加(二分種子骨障害の悪化)につながることも

例:外反母趾や扁平足により中足骨が回内方向に偏位し、ちょうど種子骨のある部分に荷重が集中してしまうことがあります!

スポーツ・立ち仕事などの負荷

ランニングダンスバレエなど、つま先立ち踏み込み動作が多いスポーツ、また立ち仕事など足裏に体重がかかり続ける環境で起こりやすい!
負荷が徐々に蓄積するケースもあれば、急に痛みが出るケースも。

足の形・靴による影響

ハイヒールを履いた足のイラスト。ヒールが高い靴では母指球(種子骨)に体重が集中しやすいことを示している

母指球は、体重に加えて下肢全体の筋力を地面に伝える部分でもあり、もともと負担がかかりやすい場所。
以下のような要因が重なると、種子骨への圧力が増えるので要注意。

  • ハイヒール、硬い地面、底の薄い靴、裸足での競技、スパイクのポイント形状
  • 外反母趾、扁平足、甲高の足など
  • 立った時に指が地面から浮く「浮指(うきゆび)
MSDマニュアル家庭版でも、種子骨炎はダンサーやジョギング愛好者、足のアーチが高い人、ハイヒールを履く人に多くみられ、外反母趾(バニオン)がある人にも多いとされている。
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浮き指アイキャッチ

なりやすい人の傾向

足の骨格を横から見た図解。母指球で蹴り出しをする歩き方や、足指が反りやすい人ほど種子骨に痛みが出やすいことを、痛みの発生箇所(稲妻マーク)とともに示している

実際に臨床現場で足の症状を診ている印象では、次のような特徴を持つ方に痛みが出やすいです。
これらは種子骨炎のリスク要因ともいえそうです。

  • スポーツをしている人、立ち仕事の人
  • 女性に多い傾向があるとの報告もある
  • 分裂種子骨(二分種子骨)を持つ人
  • 母趾が浮き気味の人は、荷重が種子骨に集中しやすい
  • MTP関節の伸展可動域が大きい人は、蹴り出しの際に種子骨へかかる圧力が強まりやすい
  • 歩行時の踏み返しが母趾腹ではなく母趾球で行われている人は、種子骨に直接負荷が集中しやすい

似ている疾患との見分け方

疲労骨折との違い

種子骨炎(周辺の炎症)や二分種子骨障害(分裂部分への負担)とは症状が似ているため、レントゲンなどでの鑑別が必要です。
疲労骨折では「骨組織にまで損傷が及んだ状態」といえます。

痛風との違い

痛風は尿酸値の上昇により関節に急激な激痛・発赤が起こるのに対し、種子骨炎は徐々に痛みが強まることが多く、発赤は目立ちにくい。
母指球周辺の痛みの原因を幅広く知りたい方は、母指球(母趾球)が痛いのはなぜ?考えられる原因とセルフケアでも詳しく解説しています。

母指球の広い痛みとの違い

母指球の痛みには種子骨障害以外にも原因が考えられるので、他の疾患についても知っておくと自分の痛みも理解しやすくなるかもしれません。

  1. 足の親指の付け根(MTP関節)まわりの痛み全般について⇒足の親指つけ根(MTP関節)まわりの痛み。どれが当てはまる?
  2. 親指以外も含めた中足骨頭部の痛みについて⇒前足部の足指のつけ根付近「中足骨頭部の痛み」はどんな種類がある?

受診の目安・診断方法

どんなときに医療機関を受診すべき?何科がいい?という疑問について解説!

何科を受診すべきか

痛みが2週間以上続く場合や歩行に支障が出る場合は、整形外科の受診が勧められます。
足の専門外来があれば、より詳しい検査が期待できます。

レントゲンでの診断のポイント

レントゲンで種子骨の状態を確認、必要に応じてMRI検査が選択されることもあります。
二分種子骨と骨折の判断は、境目の形状などが目安とされています。

二分種子骨:境界が滑らかに見えることが多い
種子骨骨折:骨折線がギザギザ、鋭い骨折線が目安

セルフケアと治療法

 

インソールの母趾球部分を切り抜いて、その周囲にパッドを貼って免荷する

種子骨への荷重と母趾の背屈を徹底的に避けることが、早期回復のポイントです。

自分でできるケア・ストレッチ

キャスト材を使って装具を作る方法

痛みがある間はまず安静を心がけ、アイシングで炎症を抑えるのが基本。
(⇒受傷後のアイシング(冷却)。治療期間を短縮する効果あり!【応急処置】

  • ふくらはぎや足裏のストレッチで負担を分散する
  • 痛みが強い動作(つま先立ち、ジャンプなど)は避ける
腫れや痛みが強いときにはPOLICE処置!⇒「POLICE 処置」(ポリス処置)はケガ急性期の管理方法。

早く治すためのポイント

母趾球の周りにパッドが入ったサポーター

治療の基本は安静ですが、種子骨に体重がかからないよう「免荷(めんか)」する工夫も効果的です。

MSDマニュアル家庭版でも、装具や負荷を軽減するパッド、靴の見直しが痛みの軽減に役立つとされている。

長期間痛みを放置すると、種子骨の分裂が進んだり、骨壊死が起きたりすることもあります。
安静・免荷期間が長くなりそうな場合、運動をしている人は完全休止ではなく、患部に負担のかからない練習に切り替える工夫が必要です。

治療にかかる期間の目安

軽度な炎症であれば数週間程度で改善することもありますが、症状が強い場合や骨折を伴う場合は数ヶ月単位の経過観察が必要になることもあるのです。
個人差が大きいため、経過は医療機関で確認することが望ましいです。
(ただ、私が観ている範囲では、患部の安静を保つことができれば、経過は良好なことが多いです。)

靴・インソール選びのポイント

底が硬すぎずクッション性のある靴を選び、足裏のアーチをサポートするインソールも選択肢。
具体的な靴の選び方は、靴選びシリーズの記事で詳しく解説しています。

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ほんだ整骨院での相談について

セルフケアを続けても痛みが変わらない、原因をきちんと確認したいという場合は、専門家に相談するのも一つの選択肢です。

荻窪駅北口すぐの「ほんだ整骨院」では、【足の痛みカウンセリング+アドバイス】を行っています。
LINEで予約できるので、来院前に症状を伝えたい方もまずは相談からできます。

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ほんだ整骨院では、足部・歩行・姿勢の評価を行い、種子骨部分への荷重を減らす方法を一緒に考えながら施術します。
膝や股関節との兼ね合い、足関節の代償作用など、ご自分では気づけなかった原因に気づけることもあります!
おひとりで悩むよりも協力して症状に向かい合っていくことで、改善への期間も短くなるはずです。

よくある質問

種子骨炎はどのくらいで治りますか?
軽度な炎症であれば数週間程度で落ち着くこともあるが、症状の強さや骨折の有無によって数ヶ月かかる場合もある。経過には個人差があるため、医療機関での確認が望ましい。
種子骨炎を早く治す方法はありますか?
安静と免荷(インソールのくり抜きやパッド、テーピングなどで種子骨への負担を減らすこと)が基本となる。痛みを我慢して活動を続けると悪化しやすいため、早めに負荷を減らすことがポイントとされる。
種子骨炎と種子骨障害は同じ意味ですか?
種子骨障害は種子骨に起こるトラブル全般を指す広い言葉で、種子骨炎はその中の一つ(炎症)を指す。二分種子骨障害も種子骨障害に含まれる状態の一種と考えられる。
急に痛みが出ることもありますか?
スポーツや長時間の立ち仕事など、負荷が一度に大きくかかることで急に痛みが出るケースもあります。徐々に悪化するケースと両方ありえることは頭に入れておきましょう。
種子骨炎になりやすいのはどんな人ですか?
スポーツをしている人、立ち仕事の人、外反母趾や扁平足など足の形に特徴がある人はなりやすい傾向があります。分裂種子骨(二分種子骨)を持つ人もリスクになりやすいです。
痛風や疲労骨折との違いは?
痛風は急激な激痛と発赤を伴うことが多く、疲労骨折は骨自体への繰り返しの負荷が原因となり骨組織の損傷。いずれも症状が似ているため、医療機関での鑑別が必要です。
セルフケアだけで良くなりますか?
軽度であれば安静やストレッチ、靴の見直しで改善することもあります。痛みが続く場合や悪化する場合は自己判断を続けず、整形外科に相談しましょう。

まとめ

足の親指の付け根の「割れている」「ヒビが入っている」ような痛みは、種子骨炎や二分種子骨障害が原因となっていることがあります。

  • 種子骨炎:種子骨・周囲組織の炎症
  • 二分種子骨障害:生まれつき分かれた種子骨への負担

原因や症状の特徴を知っておくことで、痛風や疲労骨折など似た症状との見分けもつけやすくなります。
セルフケアで様子を見ながら、痛みが続く場合は整形外科への相談を検討してください。

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参考文献

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