骨の分類。形状によって6つに分けられるよ。

こんにちは。ほんだ整骨院の山内です。

人間の骨は大人でだいたい206個
(人によっては多少増減することもあります。)

200以上の骨が組み合わさって、私たちヒトの骨格を形成しています。
私たちは常時二本の足で立ち、手ではいろんな動きをすることができますね。
それは、私たちの骨がいろんな形をしていてそれぞれが役割をもっているからなんです。

この記事では、骨の形状による分類のしかたを紹介しています。
普段では聞きなれない骨の名前もありますが、豆知識として知っておくのもいいかもしれませんよ。

骨の分類。形状によって6つに分けられるよ。

※ご注意
このページでは「骨の分類」について紹介しています。記事執筆時点での情報です。
正確な情報を記すよう努めていますが、医学的視点や見解の違い、科学の進歩により情報が変化している可能性もあります。
ケガをした場合は、記事だけで判断せず、病院などで正しい診断を受けることをおすすめします。
骨の役割についての記事もご一緒にご覧下さいね。
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骨は形状によって6つに分類される

骨の形状による分類は、長骨・短骨・扁平骨・不規則骨・含気骨・種子骨に分けられる

骨の形はそれぞれで全部が違う形をしています。
左右にあるものは同じような形をしているものもありますが、正確には少し違っていることも多いんです。

ヒトの骨はいろんな分け方がありますが、形状(カタチ)での分類ではだいたい6つに分けられています。

長骨(ちょうこつ)
短骨(たんこつ)
扁平骨(へんぺいこつ)
不規則骨(ふきそくこつ)
含気骨(がんきこつ)
種子骨(しゅしこつ)

※過剰骨とよばれるものもありますが、多くは近くの骨が分化したものや成長期に癒合せずに残ったものなので、形状による分類には含まれません。

骨はその形によって特性が違います。
たとえば、

「長骨は縦軸方向に強く、横方向には弱い」

長骨が身体を支える大腿や下腿にあるのもうなずけますね。
それでは、ひとつずつどんな特徴があるのか紹介していきましょう。

長骨

長骨の構造

細長い骨で長管骨(ちょうかんこつ)ともいわれます。
なぜ「長管骨」なのかというと、骨の中央部分が髄腔(ずいくう)になっていて「骨髄」(こつずい)があるからです。

細長いので長軸方向への力には強いです。
このことから体重を支える四肢(両腕~手と両もも~足部)に分布しています。

肩関節や股関節を軸にして大きな動きが可能になり、手の指では骨を小さくすることで緻密な動きも可能にしています。

長骨の構造

長骨の細長い部分は、骨幹部(こっかんぶ)と呼ばれます。
骨髄のある「髄腔」(ずいくう)の周囲は、「海綿質」(かいめんしつ)というスポンジ状で、さらにその外側は「緻密質」(ちみつしつ)で強度を保つ構造です。

長骨の両端部は、骨端部(こったんぶ)。
成長しきっていない時期はこの部分は柔らかい軟骨(骨端軟骨)でできていますが、大人になると硬化して緻密質と海綿質になります。
(骨端軟骨は骨の縦方向の成長に関わっています。)

骨端線ー骨端軟骨(=硝子軟骨)

骨端部は骨幹部よりも少し膨らんでいて他の骨と関節を形成します。他の骨と接する関節面は、「関節軟骨」(骨軟骨)でできていて摩擦がおきないようなめらかで、軽い衝撃で傷つかないように骨質よりも柔らかい組織です。

骨幹部と骨端部の境目を「骨幹端」(こっかんたん)といいます。

おもな長骨

上肢
鎖骨・上腕骨・橈骨(とうこつ)・尺骨(しゃっこつ)・中手骨・指骨(基節・中節・末節)

下肢
大腿骨・脛骨(けいこつ)・腓骨(ひこつ)・中足骨・趾骨(基節骨・中節骨・末節骨)

短骨

手根骨は短骨の代表例

細長くない縦横の長さが近い骨を総じて短骨(たんこつ)といいます。
手首にあるのが「手根骨」(しゅこんこつ)で、足首にあるのが「足根骨」(そくこんこつ)。

短骨の構造

短骨は外側の緻密質と内側の海綿質でできています。
緻密質(かたい部分)は長骨よりも薄くなっていて、海綿質が多くを占めます。
長骨のように「髄腔」はありません。

短骨の役割

おもに手首や足首にあり、それぞれが靭帯でつながり関節を形成します。
小さい骨がいくつか組み合わさることによって、手首や足首の関節面にかかる負担を分散することができます。
また、手や足を衝いたときの衝撃も分散してるんですね。

おもな短骨

手関節(手根骨)
舟状骨・月状骨・三角骨・豆状骨・有鈎骨・有頭骨・小菱形骨

足関節(足根骨)
踵骨・距骨・舟状骨・立方骨・外側楔状骨・中間楔状骨・内側楔状骨

扁平骨(へんぺいこつ)

肋骨や胸骨は扁平骨

扁平骨は薄く平たいような骨です。
身体の内腔(内臓の入っている部分)を守る役割があります。

また筋肉の起始部や停止部になっていて関節運動の起点となることが多い骨です。

扁平骨の構造

緻密質(かたい材質)が2層(外板・内板)になっていて、海綿質部分は薄いです。
これは、扁平骨が大切な脳や内臓を守る鎧(よろい)の役割をするので強度を確保する必要があるためだと考えられています。

腸骨や胸骨、肋骨には骨髄があり、血液組織をつくっています。

おもな扁平骨

頭頂骨・後頭骨・胸骨・肋骨・肩甲骨・腸骨

不規則骨

椎骨(背骨の骨)は不規則骨のひとつ

複雑な形をしている骨を総称して「不規則骨」(ふきそくこつ)といいます。
長骨や短骨、扁平骨に含まれないもので、背骨を形成する椎骨(ついこつ)や尾骨、下顎骨など特有の形状をしている骨です。

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おもな不規則骨

椎骨・蝶形骨・尾骨・下顎骨・頬骨・・・など

含気骨(がんきこつ)

上顎骨は含気骨のひとつ。上顎洞を形成する

「含気腔」(がんきくう)という空洞を形成する骨。
顔面の骨は副鼻腔(ふくびくう)を形成したり、側頭骨は中耳につながる乳突蜂巣(にゅうとつほうそう)と乳突洞(にゅうとつどう)を形成します。

複雑な形から不規則骨の一部でもあります。

おもな含気骨
上顎骨・蝶形骨・前頭骨・篩骨・側頭骨

種子骨

種子骨は膝蓋骨、手、足にある

関節の近くに存在して、靭帯や腱の摩擦を防いだり、脱臼を防ぐ役割をする骨。
植物の種に似ていることから「種子骨」とよばれます。

手や足の負荷が強くかかる場所にあります。

おもな種子骨
手の母指種子骨・足の母趾種子骨・膝蓋骨

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