有痛性外脛骨(外けい骨障害)。偏平足や回内足。内くるぶしの前の出っ張った骨の痛みに注意!

こんにちは。ほんだ整骨院山内です。

先日、親知らずが突然痛み出し、抜歯しました。

 

11月も後半に入りましたね。寒い風が身に染みる季節になってきました。
先日、クヌギのどんぐりを拾いに行ってきました。
・・・・が、時期が遅すぎたらしく、穴が開いていたり、ひび割れていたりとあまりいいのが見つかりませんでした。いくつか拾ってきたので来年の春に発芽するか楽しみに待ちたいと思います。

 

さて、今日の話題は骨シリーズ第1弾『外脛骨』(がいけいこつ)です。

足の内側の出っ張った骨が痛むことがある、足が扁平(土踏まずが低い)気味の人や回内足(かかとが内側に傾く)の人は、有痛性外脛骨(ゆうつうせいがいけいこつ)も疑います。

外脛骨(がいけいこつ)って、な~に?

足の内くるぶしの前方にあるのが、「足の舟状骨」(しゅうじょうこつ)。

わざわざ「足の」ってつけるのは、実は「手の」舟状骨もあるんです。手も足も同じような位置にあります。

どちらも親指側の足根骨(手根骨)の付け根部分にあります。

で、この「外脛骨」はどこにあるかというと、

足の舟状骨のすぐ横。⇓

実はこの外脛骨、選ばれた者にしか与えられていません!

というのは、「過剰骨」と呼ばれ、約15%の人しかもっていないのです!(足の過剰骨のなかでは比較的発生頻度は高い!)

「外脛骨」の実態は?

人の脚には「後脛骨筋」(こうけいこつきん)という筋肉があります。

脛骨(すね)の後ろ側にあって、通常は舟状骨の隆起部分(舟状骨結節)にくっついています。後脛骨筋は足部を回外させたり、足首のバランスをとる仕事をしています。

舟状骨結節部分は後脛骨筋によって、常に引っ張られ続けているといえます。

とくに強く引っ張られる足の形が・・・「偏平足」と「回内足」

この舟状骨は10代後半まで二つの骨に分かれています。

骨が成長するための骨端核」(こったんかく)というのが存在していて、レントゲン写真でみると舟状骨と骨端核の間は骨端線」(こったんせん)といって、別々の骨のようにみえるのです。

成長期を終えると骨端核と舟状骨は癒合してひとつの骨になるのですが、後脛骨筋の引っ張りが強いと癒合しないこともあります。

これが「外脛骨」の発生する要因のひとつといわれています。

ひとくちに「外脛骨」といってもいくつかの分類があります。

① 後脛骨筋腱内に「種子骨」のようになっている。
②骨では繋がっていないが、舟状骨に張り付くようにくっついている。
③舟状骨に骨性に一部連結している。舟状骨の一部になっている。

①「種子骨」のようになっている外脛骨は、手で触るとわずかに動きます。②③の外脛骨では、動かそうと触っても動きません。

扁平足について詳しくはこちらの記事も参考に。⇒扁平足(偏平足)になる要因は?どんな障害がでやすい?
回内足と過回内(オーバープロネーション)ってなに?⇒「回内足」(かいないそく)と「過回内」(オーバープロネーション)

有痛性外脛骨(ゆうつうせいがいけいこつ)とは?

外脛骨障害

外脛骨障害」(がいけいこつしょうがい)ともいいます。

外脛骨は、舟状骨、後脛骨筋と密接に関りがあるのですが、存在するだけでは障害になることはありません。過剰骨なんていわれますが、

基本は「無害」です!

が、

足の内側に出っ張るために擦れたり、ぶつけたり外傷を受けたりすることが多いといえます。

とくに先程紹介した「舟状骨とくっついている外脛骨」(レントゲン上では、別の骨になっている)は、後脛骨筋の腱が付着する場所なので繰り返し足首の底背屈によって炎症を起こしやすいです。

また、10代前半の特に女性に多く見られるのが運動や外傷(打撲や捻挫)をきっかけに痛みが出るケースもよくみられます。この場合は成人するまでには軽快していることがほとんどです。

(1)内側に突出しやすいので、スレたり、ぶつけたり、外力を受けやすい

(2)後脛骨筋腱の牽引力によって、炎症を起こす。

(3)運動や外傷をきっかけにして痛みが出る。

これらを「有痛性外脛骨」(外脛骨障害)と呼んでいます。

ちなみに!3歳~5歳の男の子に多い骨端症(骨の成長軟骨障害)。「第1ケーラー病」も同じような場所に痛みを訴えます。⇒子どもが足の甲(内側)や土踏まずを痛がる。第一ケーラー病って?

有痛性外脛骨になりやすい人!

実は「有痛性外脛骨」になりやすい人っていうのがいるんです!

それは、

足の形!

どんな足がなりやすいのかというと、

①外脛骨がある人 ②偏平足 ③過回内足

①外脛骨がある人。

約15%の人にあります。外傷や繰り返しの運動で痛みが出ることもあるので要注意。

②偏平足

足部の3つのアーチ

偏平足とは、内側縦アーチ(土踏まずの高さ)が低い足部をいいます。

外脛骨の場所は、内側縦アーチの頂点部分にあたりますよね。

で、

偏平足の人は、荷重(体重がのる)されるたびにその頂点部分(外脛骨)に負荷が強くかかることになります。

さらに、偏平足は外脛骨と地面や反対の足が当たりやすいです。

また、逆に外脛骨の存在が扁平足を引き起こすリスクも指摘されています。

というのは、外脛骨によって後脛骨筋の牽引力が舟状骨に伝わりにくくなる「後脛骨筋腱機能不全」(PTTD)のリスクが高まる可能性があるからです。詳しくは関連記事『後脛骨機能不全の原因について』をご覧ください。

足の縦アーチの役割とは?

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③過回内足

「過回内足」とは、足を後ろから見たときに、

かかとが外側に傾いている足!

のことです。

 

そう、外脛骨が地面にくっつきそうな足ですね。

この「過回内足」も外脛骨障害になりやすい足です。

後脛骨筋のストレッチ⇒後脛骨筋のストレッチ&トレーニングで足の痛みや変形を予防!

全部を併発している!

外脛骨を持っていて、偏平足で、かつ過回内足の人。

実は結構いらっしゃいます。

とくに偏平足と過回内足は、同時に起きやすいです。

外脛骨障害と足のアーチは密接な関連があります!詳しくはこちらの記事もご一緒にご覧ください。
足の縦アーチ⇒足の(縦)アーチの役割。崩れると身体全体にも大きな影響!
横足アーチ⇒足の横足アーチ。維持するために必要なこと。低下するとどうなる?

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有痛性外脛骨になったら。

基本的には、「保存療法」を行います。

若年者に多い疾患(10代前半の女性に多い!)ですが、成人するまでに軽快していることが多いです。

痛みのある時期に安静にしたり、テーピング、足底挿板で免荷を図ったりすることで様子をみます。

他には、

後脛骨筋の緊張をとる!

ことも大事です。

後脛骨筋は脛骨の内側に沿って、マッサージをしてあげることで緩めることができます。

若年者に多いとはいえ、内側縦アーチの消失は高年齢で起きてくることが多く、それに伴って過回内足にもなりやすいです。

あまりに痛みがひどかったり、難治性のものは「手術」の適応になることもあります。

 

有痛性外脛骨と「後脛骨筋」(こうけいこつきん)は密接な関係があります。

後脛骨筋の仕事と役割とは?⇒「後脛骨筋」(こうけいこつきん)。立位でバランスとるための大事な筋肉!

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