子どもの足指がねじれている?!カーリートゥ(巻き趾)ってどんな足?

こんにちは。ほんだ整骨院の山内です。

カーリートゥ」って聞いたことがありますか?
英語で書くと

Curly toe

curlyとは、「巻き毛の」とか「丸まった」とか「ねじれた」といった意味があります。toeは「つま先」
なので、カーリートゥは「丸まったつま先」。

カーリートゥは日本語でいうと「巻き趾」っていいます。
子どもの足で多くみかける巻き趾。
足の指がねじれて、内側を向いてしまう症状をいいます。

今回は「カーリートゥ」について紹介していきましょう。

カーリートゥは巻き趾ともいわれ、小児に多く、第4趾・第5趾が底屈+内反する

子どもの足指がねじれている?!カーリートゥ(巻き趾)ってどんな足?

※ご注意!
このページでは「カーリートゥ」(巻き趾)について紹介しています。記事執筆時点での情報です。
正確な情報を記すよう努めていますが、医学的視点や見解の違い、科学の進歩により情報が変化している可能性もあります。
ケガをした場合は、記事だけで判断せず、病院などで正しい診断を受けることをおすすめします。

カーリートゥ(巻き趾)はどんな状態?

第4趾(薬指)と第5趾(小指)が内側に曲がって見える

カーリートゥは足指の腹が内側を向いて少し曲がっている状態
「内側を向く」のは、趾の足裏側(趾腹)が内側を向いて、爪が外側にねじれてしまっているってこと。

内反」とか「回外」とかいわれます。
カーリートゥではさらに、足裏側に軽度「屈曲」(底屈)しています。
簡単にいうと足指がねじれて丸まった状態です。

多いのが外側の第4趾(薬指)と第5趾(小指)
ほとんどが両足にみられます。
10歳までの子どもに多いといわれています。

兄弟や姉妹、親子で同時にみられることもある(家族性)ので遺伝も関与している可能性があります。

※成人でも多い「寝指」(ねゆび)
似ている足指の状態で、成人にもよくみられるものを「寝指」(ねゆび)といいます。
屈曲(底屈)変形は少なく、おもに回外しているものを指が横に寝ていることから「寝指」と表現されます。
外側荷重になりやすいことから、内反膝(O脚)や変形性膝関節症を生じやすくなります。

大人の「寝指」に関してはこちらの記事もご一緒に⇒「寝指」(ねゆび)とは?足の小指がねじれているとどうなる?

カーリートゥの原因と症状

カーリートゥは底側骨間筋、背側骨間筋、母趾内転筋横頭、小趾外転筋などの菌バランスの崩れが原因と思われる

原因は不明です。
先天性(生まれつきの骨格の問題)と後天性(生まれてから成長環境によって)が考えられています。

実態として考えられる原因として考えられるのが筋肉バランスの問題。

底側骨間筋(ていそくこっかんきん)と背側骨間筋(はいそくこっかんきん)
※底側骨間筋は足趾の内転(第2趾に他指を近づける)、背側骨間筋は足趾の外転(第2趾から遠ざける)作用があり、両方の筋肉は足趾の屈曲作用がある。

小趾外転筋(しょうしがいてんきん)と母趾内転筋横頭(ぼしないてんきんおうとう)
※小趾外転筋は小趾を開く、母趾内転筋横頭は母趾を小趾側にひきつける作用。

足趾屈筋群足趾伸筋群
※屈筋の牽引力>伸筋の牽引力によって足裏側へ指が引っ張られる。

子どもの時期の成長途上に、筋肉のバランスが崩れて、生じていると考えられます。

他に考えられる要因
内反膝(O脚)
足関節(足首)内側のかたさ
くつの不適合
回外足(足裏が内側を向きやすい)  など

症状は基本的に

無症状

のことが多いです。
「歩き方がおかしい」や「成長障害」がでることもありません。

ただし、足指の回外が強く、さらに屈曲も強くなると内側の足指と重なってしまうオーバーラップ」が生じることがあります。

ほとんどの人が「拘縮」(こうしゅく)しておらず、足指を伸展(背屈)させると戻ります。

拘縮(こうしゅく)
軟部組織が関節組織とくっついてしまうことで、正常な関節可動域を失ってしまうこと。
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治療

カーリートゥの治療は基本的に経過観察。骨や筋が成長することで改善することも多い。

無症状(痛みや跛行がない)の場合には、そのまま経過観察になることがほとんどです。

子どもの骨や筋肉が成長過程で一時的にカーリートゥを生じている場合、成長とともに改善していくことが多いです。
そのままカーリートゥが残ってしまった場合でも、障害を遺すことは少ないです。

まれに、内反小趾(ないはんしょうし)やクロートゥ(鉤爪趾)の変形が生じてしまうことがあります。
成長障害や痛みを伴う場合には手術や装具矯正が選択されることもあります。

矯正はしない方がいい!?
骨や筋肉が成長しているときに、テーピングやバンド、装具などでの矯正は成長障害を引き起こしてしまうこともあるので注意が必要です。
(繰り返しますが骨や筋の成長によって改善することも多い!)
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カーリートゥの悪化対策と改善

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すぐに効果がみられるわけではありませんが、足指~足部の筋肉バランスを整えることで悪化させず改善方向に向かいましょう。

〇はだしで活動
足指を日常的に使って生活することで、筋バランスを整えましょう。

〇くつの見直し
大きいときには、靴内部で動いてしまうので、脚が前方に詰まって足指がきゅうくつな状態。小さいときにも足指が窮屈な状態。
さらにかかとが回外(外側に倒れる)しないようにかかとをまっすぐに保ってくれるものを選びましょう。
靴が当たって靴擦れにも注意が必要。

〇足部・足指の運動
足部の形を保つ筋肉の維持は大切です。
足裏のトレーニングやバランスを保つ運動もしておきたいですね。

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カーリートゥまとめ

〇小児の底屈・回外変形
〇拘縮はない
〇家族性もみられる
〇ほとんど無症状
〇経過観察(身体の成長)で改善することも多い
〇足まわりの筋強化も必要
〇成人の寝指に発展することもある

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