ケガをしたときの応急手当て「RICE(ライス)処置」って?

こんにちは。ほんだ整骨院、山内です。

 

夏が近づいてきました!

海や山、川など自然の中で遊ぶのも楽しいですね。
また、学生の皆さんは部活動なども忙しいかもしれません。

そんな時に気を付けていただきたいのが捻挫や肉離れなどのケガです。
暑さや疲れ・悪天候などによって注意力が低下したときに起こりやすい上に、外出先やスポーツ中は、ケガをしても無理をしがちです。

そんなときに大事なのが、

応急処置!

ケガをしたときにしっかり応急処置をすることで、後々の治癒過程をより早めることができます。

今日は応急処置の基本。「RICE処置」について紹介していきます。

ケガをしたときの応急手当て「RICE(ライス)処置」ってな~に?

このページではRICE処置の概要を紹介しています。記事執筆時点での情報です。
医学的視点や見解の違い、科学の進歩により情報が古くなっている可能性もあります。
ケガをした場合は、記事だけで判断せず、病院などで正しい診断を受けることをおすすめします。

ケガをした直後の処置は大事!

よくスポーツを見ていて、選手がケガをしてしまった時に患部にコールドスプレーを吹きかけている光景をみたことありませんか?

ケガの直後に患部を冷却することは重要なんです。

まず、ケガをすると組織が損傷します。その損傷部位から出血が起きます。
受傷直後の冷却は、組織に分布する毛細血管を縮めて、余計な出血を抑える効果があります。

応急処置をするかしないで、後々の治癒過程がずいぶんと変わってもくるのです!

応急処置をしなかったことで、治癒期間やリハビリに要する時間が長引いてしまうことはもちろん、悪いときには組織の損傷範囲を拡大させてしまう恐れもあります。

ちょっとぶつけただけだから。
少しひねったぐらいだから。

などと軽視はせず、ケガの直後から処置をしましょう。

今回は打撲や捻挫、骨折、脱臼のときに有効な「RICE処置」について紹介します。

「RICE処置」(ライス)とは?

RICE処置

英語で「RICE」というとお米のことですよね。
応急処置の「RICE」は必要な処置の頭文字をとったものです。

Rest(安静)
Icing(冷却)
Compression(圧迫)
Elevation(挙上)

有名なので知っている方も多いかもしれませんね。
どれも受傷後~炎症期には重要な処置です。

いざというときのために、スポーツをする方、指導者、アウトドアに行く人たちは、絶対に覚えておきたいですね。。

REST(安静)
損傷した組織や周囲の血管・神経を安静に保つことで出血や痛みを和らげます。

Icing(冷却)
患部を冷却することで毛細血管を収縮させ出血を防ぎます。
また、炎症は腫脹による組織の酸素欠乏が起こします。これにより健全な周囲の細胞が壊死し、周囲の二次的損傷が発生します。
冷却することで健全な細胞の活動を低下させ、二次的損傷を抑える目的もあります。

冷却のやり方と効果とは?受傷後のアイシング(冷却)。治療期間を短縮する効果あり!【応急処置】

Compression(圧迫)
患部を軽く圧迫することで内出血と腫れを抑えます。周囲の筋肉や関節も一緒に軽く圧迫してあげると血管からの出血も和らげます。
※強く圧迫しすぎると、腫脹・浮腫によって血流障害が起きるので要注意です!

Elevation(挙上)
患部や患肢を持ち上げます。
血腫や腫脹、浮腫(むくみ)の予防と減少させる効果があります。

RICE処置の目的は、

過剰な出血・腫脹を抑制すること!
炎症期を早く脱し、治癒再生過程を早めること!

RICE処置が必要なケガ。

大量の出血や頭部や頚部への強い外力が加わった場合は、動いたり、動かすと危険な場合があります。
また、意識がない場合や弱い場合には、すぐ救急車や医師の指示を仰ぎましょう。

それ以外での出血の伴わないもの、「ぶつけた」「ひねった」「肉ばなれ」などはRICE処置が有効です。

外傷を負った直後に適切にRICE処置が行われていれば、ほんの2~3週で軽快するケガでも、適切な処置が行われず、受傷後2~3日経ってから痛みや腫れがひかずに医療機関を受診するケースが多いんです。

受傷後、どれくらいまでRICEが必要?

外傷により組織が損傷すると患部の毛細血管から出血。
その後、24時間から72時間ぐらいかけて炎症が強くなり、腫脹(腫れ)と熱感が強まる時期です。

この受傷後~72時間ぐらいまでがRICE処置を行うべき期間です。

受傷後~72時間ぐらいまで!

この時期にRICE処置を行うことで、過剰な腫れ、出血、二次的損傷を防ぎ、治癒過程を促進させましょう。

あくまで、目安です。
受傷後3日経過しても、熱感や腫脹が強い場合は継続します。
逆に、3日経過せずに熱感や腫脹が治まる場合もあります。この場合は冷却(Icing)や挙上(Elevation)は中止しても構いません。
医師の指示に従いましょう。

「RICE処置」はあくまで応急処置。

受傷の直後から処置を行うことで、治癒期間が大幅に短縮できます。

ただし、医師の診断は必ず受けましょう。

私たちが現場で恐れるのは、捻ったり、打ち身をして、痛みや動き具合から自己判断で、「骨は大丈夫!」とか「ひねっただけ」と

軽視してしまうこと!

RICE処置を適切に行うことで、痛みや腫れ、内出血、熱感は確実に減少できます。
これによって、自身のケガを軽視してしまう人もいるのです。

受傷後に応急処置をしても損傷がなかったことになるわけではありません。
重大な損傷や合併症が隠れている可能性もあります。

必ず、専門の整形外科の医師に診断を仰ぎ、指示に従いましょう。

外傷では、応急処置の他にも、固定の方法、固定の肢位(姿勢)、固定期間など重要な治療があります。
間違うと後遺症として残ってしまう可能性もあるのです。

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まとめ。

〇受傷直後にRICE処置をすることで治癒期間を大幅に短縮できることもある。
〇RICE処置は病院に行くまでの応急手当て。必ず診断を受けること。
〇RICE処置の目的は、過剰な出血や腫れを抑えること。二次損傷を防ぐこと。
多量の出血、意識障害、頭部・頚部への強い外力があった時は救急搬送すること。

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